号外:外食産業の厳しい決算、外出自粛で客数減(4~6月期)

感染症の影響で、私も2月以降はほとんど外食をしなくなりました。例外は出社した日や週末に買い物に出たときのランチ程度です。在宅勤務の日は自宅で昼食をとりますし、週末も弁当や総菜を買って帰り自宅で昼食にすることもあります。デリバリーを使うこともありますが、あまりおいしくない印象です。2月以降は、飲酒をともなう夜の外食は、仕事でもプライベートでも1回もありません。考えてみれば、これは信じ難いことです。もっとも、ほぼ毎日のように自宅でお酒は飲んでいますが。

2020年8月13日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

新型コロナウイルス感染症の影響で、外食産業の業績が悪化している。休業や外出自粛で売り上げが減少し、2020年4~6月期は大手の7割が最終赤字となった。郊外では客足が戻りつつあるが、都市部では在宅勤務の定着で回復が鈍い。大人数で利用するファミリーレストランが、ハンバーガー店に比べ低迷が続くなど、業態間での格差もでている。”

外食産業の厳しい決算(4~6月期)

すかいらーくホールディングスが8月13日発表した2020年4~6月期の連結最終損益は191億円の赤字(前年同期は26億円の黒字)に転落した。「ガスト」や「ジョナサン」といったファミレスは客数が大きく減少した。強化した宅配や持ち帰りは増えたが、売上高は前年同期比44%減に落ち込んだ。”

“8月13日までに決算を発表した時価総額500億円以上の外食13社の4~6月期を集計した。9社が最終赤字、3社が最終減益だった。増益は、日本マクドナルドホールディングスだけだった。ファミレスと並んで厳しい状況なのが居酒屋だ。8月13日に決算を発表したコロワイドは、最終損益が41億円赤字(前年同期は3億7500万円の黒字)になった。緊急事態宣言を受けた4~5月の店舗の休業に加え、宣言解除後の6月になっても宴会の自粛が続き、「甘太郎」などの居酒屋が苦戦した。

減益だが赤字は免れた3社に共通するのが、持ち帰りだ。王将フードサービスは4月の持ち帰りが売り上げの4割を占めた。増益だった日本マクドナルドはドライブスルーが伸びた。外出を控える動きは続いているため、店内での客席利用は伸び悩んでいるという。”

製造業などに比べて企業規模の小さい外食産業は、不況への対抗力が弱いとされる。新型コロナウイルス感染症の影響が大きい業種の中で、飲食サービス業は資金繰りの耐久力が2018年度で0.47年分と、宿泊業(0.56年分)、医療福祉業(0.75年分)に比べ低い。売り上げの低迷が続くと、資金繰りへの影響も大きくなる。”

売り上げの回復は業態だけでなく、立地の違いによっても差が出始めている。アークランドサービスホールディングスが運営するとんかつ店「かつや」は9割が郊外にある。客足が戻ったことで、7月の既存店売上高は前年同期比6.9%増と、プラスに転じた。郊外に5割以上の店舗がある、ゼンショーホールディングスが運営する牛丼店「すき家」の7月の既存店もプラスとなった。”

逆に郊外店舗が手薄な企業は苦戦が目立つ。同じ牛丼店でも、郊外が3割強にとどまる松屋フーズホールディングスの7月の既存店は11.6%減となった。6月に比べて改善したが、在宅勤務の定着でオフィス街にある店舗の売り上げは戻っていない。”

“足元では感染者が再び増加するなど、新型コロナウイルス感染症の収束に時間がかかることを踏まえると、抜本的な改革も必要となる。すかいらーくでは、外食そのものの回数が減る中で、利用目的のはっきりした業態は落ち込みが小さかったとして、業態転換を急ぐ。全国の1140のガスト店内に、別ブランドのから揚げ店を開く。ピザや寿司の宅配にも参入する。”

タンスやクローゼットがすでに服で溢れていて、少なくとも当面の間、衣料品は不要不急の買い物です。同様に、他人との接触をできるだけ避けることを優先すれば、食事も自宅でとることが増えてきます。ファッションも、親しい人との外食も、人生の楽しみであり、ストレス解消の方法でもあります。しかし残念ですが、ワクチンや治療薬といった感染症への対策の目途は立つまでは、感染拡大リスクをできるだけ抑えるために、当分は我慢の生活が続きそうです。これを「新しい生活様式」と言うかどうかは別として、以前とは異なる環境下でのビジネスプランを模索してゆくことが求められています。

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