号外:暖冬ですね、地球温暖化の影響を感じています
地球温暖化の影響で日本の夏は暑く、長くなったと感じています。海水面温度が上昇し、夏場には集中豪雨や大型台風の上陸で大きな被害が発生しました。そして今年の冬は暖冬です。各地のスキー場で雪不足が深刻で、ウィンタースポーツの競技会が計画通りに開催できず、雪のある限られたスキー場で実施すべく関係者の方々が奔走しているというニュースを見ました。
記録的な雪不足が北海道各地でも冬のイベントやスキー場を直撃しています。札幌市の1月20日現在の積雪は16センチメートルと平年の3割足らずです。開業を遅らせたり、営業を縮小するスキー場が続出しています。300万人近くが訪れる札幌市最大のイベント、さっぽろ雪まつりは主要会場の「つどーむ会場」の規模縮小を決めました。大通会場では雪の搬入を前倒しし、何とか例年通りの開催を目指しています。
このまま少雪が続けば農業への影響も避けられません。醸造用ブドウの産地である余市町や岩見沢市では、1月20日時点での積雪が平年の4割以下です。ブドウ畑では枝が凍らないように土に寝かせて雪の中で越冬させます。雪不足が続けば、枝の枯死や発芽不良が懸念されます。また春の雪解け水が少なくなることによる農業用水の不足も心配されています。
気象庁が1月6日に発表した2019年の年間平均気温(確定値)は平年(2010年までの30年平均)を0.92度上回り、1898年の統計開始以降で最も高い数字になりました。地球温暖化の影響で高温になる年が多くなっていて、2019年は年を通じて気温が高い状態が続きました。下記のグラフからも、日本の年間平均気温が上昇傾向であることが見て取れます。私たちは、この事実に対してもっと危機感をもたなければならないと思います。
気候変動対策への取り組みが最も熱心なのは、温室効果ガス排出量を2050年に実質ゼロにする「欧州グリーンディール」を推進している欧州連合(EU)です。一方、先進国の中でそうした取り組みに最も不熱心なのは、トランプ大統領の決断でパリ協定からの離脱を国連に正式に通告した米国でしょう。日本は両社の中間に位置しますが、温室効果ガス削減目標の引き上げや、石炭火力発電からの撤退を表明することができず、12月にスペインのマドリードで開催された第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)では、各国からの批判を浴びました。
世界では、地球環境が危機に瀕しているという共通理解が広がっています。速やかに対策を実施してゆかなければ、私たちおよび私たちの子孫は、長期間に渡って気候変動による被害を受けることになります。これ以上の地球温暖化を回避するための情報も技術もあります。経済成長がこれまでより低くなろうと、国民負担がこれまでに比べて多くなろうとも、自分たちが生活している地球がこれ以上荒廃することがないように、国際的に協調してゆくことが必要です。