GUのテーマは「ファッション x 低価格」

私はユニクロには結構お世話になっていますが、GUで買い物した記憶がありません。GUは若者向けのブランドと思っている中高年にとっては、なかなか訪れる機会がない店舗です。訪れていないので、今のGUがどのような品揃えなのかも想像がつきません。ご同輩の皆様はいかがでしょうか?

2020年12月11日付け日経クロストレンド電子版に掲載された記事より、

“ファーストリテイリング傘下のジーユー(GU)が2020年12月1日、「2021年春夏方針発表会」を開催した。若者向け低価格商品のイメージがある同社が、2021年は「ファッション x 低価格」をテーマに掲げ、さらに安さを追求する。マスクもファッションの一要素として取り入れ、アパレルに厳しいコロナ禍での業績向上を目指す。”

“「2020年8月期(通期)は売上2460億円、営業利益218億円と増収を達成し、厳しい状況下で健闘できたと思っている」(GU 柚木社長)。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、業績が低迷するアパレル企業が多い中、GUの売上は3~5月の厳しい時期を経て、6~8月には回復。2020年8月期の売上収益は、通期で前年比3.1%増となった。ネットショップでのEC(電子商取引)も好調だ。前年比で約6割の増収(2020年8月期、通期)となり、売上構成のうち約9%をECが占めた。”

“そうした中、同社は2021年春夏方針で「ファッション x 低価格」を大きなテーマの1つとして掲げた。そもそもユニクロに比べて低年齢層をターゲットにし、低価格商品のイメージがあるGUだが、今回はさらに低価格を強化。例えば女性向けワンピースでは、前シーズン2990円(税別、以下同)だった商品と同等で、2021年春夏では1990円と3割以上の低価格を実現した商品もある。”

“低価格実現のために様々な工夫を重ねているというが、「一番大きいのが、作る量と売れる量をいかに合わせていくか」(柚木社長)ということだ。顧客の声を聞いて、常にニーズをキャッチしていく他、サプライチェーンの段階では「素材をできるだけ集約して、デザインで変化を付ける。最初から100%作るのではなく、売れ行きを見てから調整する場合、素材が集約されていると調整しやすい」(同)などの工夫で低価格化を実現している。”

新しく展開する「GU baby」

“コロナ禍で「おうち時間」が長くなった2020年は、家族と過ごす時間が増えたという人も多い。そこで以前から要望があったベビー向け「GU baby」を2021年春夏シーズンからスタート。上下が分かれたセパレートに見えるのに、実際はカバーオールになっている乳幼児向けの服を「セパオール」、不格好に見えがちなオムツまわりのボトムスをファッショナブルに見せる「サマナルパンツ」(レギンスとサルエルパンツを融合させた”サマになるパンツ“)など、GUオリジナルのネーミングで展開する。”

GUのマスク

“発表会の最後には、2021年春夏の服に身を包んだGUの社員がモデルとなったファッションショーを開催。同社は顔の多くを覆うマスクの、ファッションとしての重要性に着目した。ファッショナブルで低価格のマスク(490円)を2020年10月から販売している他、マスクを含めたトータルコーディネーションも提案している。ショーではマスクを着けた社員たちが舞台を歩いた。

働く大人のコーディネートも提案している。ジャケットとパンツはウォッシャブルで、速乾、防シワの機能がある。ストレッチ素材なので、在宅でもリラックスできて、かつ、きれいめのシルエット。マスクも統一感を出している。若者向けのイメージがあるGUだが、ジャケットなど在宅、出社を含め、幅広い年齢層がビジネスにも使えるアイテムも豊富に揃っている。低価格とフットワークの良さを武器にした2021年の戦略が、コロナ禍でのアパレル業界の光となることができるのだろうか。”

GUの2021年春夏の企画を紹介した記事ですが、このGUの方向性に賛同される方、あまり興味を持たれない方、人それぞれだと思います。私は長年、衣料素材(生地)の分野で仕事をしてきました。GUは製品の低価格を実現するために、素材を集約する等の工夫を色々としているようですが、売値が1990円の女性向けワンピースに使用される生地代がいくらなのかと考えると、なんだか寂しくなってきます。その価格で利益を残して、再生産してゆける生地サプライヤーがいるということなのでしょうが、率直な感想としては、中長期的に継続できるサプライチェーンなのかな、という疑問が浮かびます。単に私が時代に乗り遅れているだけならいいのですが。

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