ファーストリテイリング、時価総額10.8兆円 アパレル世界首位に!

ファーストリテイリング(ユニクロ、GUなどを運営)時価総額がアパレル業界で世界首位になりました。時価総額ですから、今後の株価の動き次第では順位が変動する可能性がありますが、素晴らしいことだと思います。売上高等では、まだまだ競合各社との競り合いが続いていますが、今では世界を代表するアパレル企業と評価されていることは間違いないと思います。

2021年2月16日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

“ユニクロを展開するファーストリテイリングの時価総額が2月16日、10兆8725億円(終値ベース)と「ZARA」を展開するスペインのインディテックスを越えて、初めてアパレル業界で世界首位となった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んでいる中国などアジアの成長に加え、デジタル対応の加速による収益性向上への期待感が背景にある。”

“欧州に上場するインディテックスの時価総額(2月15日終値の約817億ユーロ=約10兆4600億円を初めて超えた。世界的な在宅勤務の広がりでファーストリテイリングが強みとする普段着の需要が高まり、2020年8月以降に株価は急上昇した。

“出店地域の違いも投資家の評価を分けている。主力のユニクロ事業は全2298店(昨年11月時点)のうち、アジア(日本除く)が6割を占める。特に新型コロナウイルス感染症の影響から経済をいち早く立て直した中国は791店と最大の日本(815店)に次ぐ規模だ。2020年8月期の中華圏(香港、台湾含む)の売上高営業利益率は14.4%と国内(13%)を上回るなど、稼ぐ力も高い。一方、ZARAは大規模な都市封鎖などで店舗の休業が相次ぐ欧米に店舗の7割を構え、アジアは約2割と少ない。

“ファーストリテイリングはコロナ禍前から重ねてきたデジタル対応への評価も高い。2016年から「情報製造小売業」を掲げ、全商品にICタグを取り付け、店とネット通販で集めた売れ筋データを分析。米グーグルなどの外部企業とも組み、人口知能(AI)を活用して、効率的な生産体制を整えている。”

“ただ、売上高など収益面ではなお競合他社が上回っている部分がある。直近の本決算の売上高では、インディテックス(2020年1月期)は282億ユーロ(約3兆5000億円)。スウェーデンのH&Mの売上高が2020年11月期で1870億クローネ(約2兆3000億円)で続き、ファーストリテイリングの2020年8月期は約2兆円と世界3位の立場だ。コロナ禍の直近の四半期ベースでも、純利益はファーストリテイリングの約700億円に対し、インディテックスは8億6600万ユーロ(約1100億円)と1.6倍だ。インディテックスはスペインに大半の工場がある。流行に合った服を空輸も使い世界中に短期間で供給するため在庫量が少ないほか、値引きせずに売り切るため粗利も高い。”

今後の成長を左右するネット通販でも競り合っている。ファーストリテイリングの2020年8月期の売上高に占めるネット通販の比率は15.6%と前の期(11.3%)より拡大した。一方でインディテックスは2019年時点で既にEC比率が14%あった。これを2022年までには25%に高める計画だ。インディテックスは2020年10月に北京で売り場面積3千平方メートルを超す旗艦店を立ち上げた。中国の店舗数も467店に上る。アジアの成長の取り込みの成否が両社のこれからの評価を分けそうだ。

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