苦戦!アパレル大手7社の2月期決算

2020年4月14日付け日本経済新聞電子版掲載の記事より、

“アパレル企業の業績が振るわない。4月14日に出揃った大手7社(しまむら、オンワード、アダストリア、TSIHD、西松屋チェ、パルHD、タキヒョウー)の2020年2月期の連結営業損益は、5社が前期比で減益か赤字となった。2019年10月の消費増税で消費意欲が落ち込んだうえ、暖冬で冬物衣料が不振だった。足元では新型コロナウイルスの感染拡大で店舗の休業などが相次いでいる。今期も厳しい状況が続く可能性がある。”

アパレル大手7社2月期決算

“売上高が500億円を超える2月期のアパレル大手の業績を集計した。7社の営業損益の合計は黒字額が前期比14%減の437億円。営業利益が減るのは3期連続で、2017年2月期と比べて半減した。売上高は1%減に留まっており、利益率の低下が明確になっている。オンワードホールディングスの営業損益は30億円の赤字(前期は44億円の黒字)と、通期ベースで初の営業赤字。「ナノ・ユニバース」などを展開するTSIホールディングスの営業利益は97%減の7000万円となった。”

“2019年10月の消費増税以降の消費マインドの落ち込みが響いた。また例年より冬季の気温が高く推移し、コートやダウンジャケットなど利幅の厚い冬物衣料が低迷した。膨らんだ在庫を処理するために値引き販売を増やし、売上高総利益率の悪化も目立った。14ヶ月の変則決算のため集計に加えなかったが、14日に決算発表した三陽商会も値引き販売が利益を圧迫した。営業損益は28億円の赤字と4期連続の営業赤字。2015年に英高級ブランド「バーバリー」とのライセンス契約が終了し、後継となるブランドが育っていない。”

“一方、在庫のコントロールを進めて値引き販売を抑えた企業は好調だった。14日に決算発表した婦人服・雑貨販売のパルグループホールディングスの営業利益は14%増の90億円。自社の電子商取引(EC)サイトを通じた先行予約販売など定価での販売が増えた。アダストリアの営業利益は128億円と79%伸びた。”

緊急事態宣言を受け、臨時休業や営業時間を短縮する店舗が相次いでいる。3月の既存店売上高はアダストリアで前年同月比24%減など減少が目立つ。生産面では、中国の工場は回復基調にあるという。ただ、客数減で店舗の在庫が膨らめば値引きによって、今期も利益が悪化する恐れがある。”

大手アパレル企業の業績が落ち込んでいます。昨年10月の消費増税による消費意欲低下に、暖冬による冬物衣料の苦戦が追い打ちを掛けました。そして新型コロナウイルス感染症対策による店舗の休業や営業時間短縮、そしてなによりも消費者の外出自粛、買い控えによって春夏物衣料の販売は壊滅的です。緊急事態宣言が出された4月は、3月よりさらに厳しい結果になるでしょう。GWも「Stay Home週間」になってしまいました。今後徐々に規制が緩和されてゆくにしても、販売時期を逃してしまった在庫を値引き販売すれば、利益率の低下は避けられません。まだまだ長いトンネルが続きそうです。休業している百貨店やショッピングセンター、繁華街の店舗の販売員の方々の生活も心配です。一日も早い感染症の収束を願いますが、新型ウイルスとの戦いは長期戦の様相を見せています。今はまだ手探りの状態ですが、私たちの「新しい日常」を組み立てなければなりません。学校、イベント、友人と過ごす時間、そしてファッション等々、今は我慢しなければならないことも多いですが、ウイルスなんかに負けることなく、この危機を乗り越えてゆきましょう。

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