進化するニッポンのマスク!

マスクが手放せない毎日です。電車に乗れば、ほとんど全員が(多少の例外もありますが・・・)マスクをしています。感染拡大予防のためとはいえ、日本人の生真面目さ(自分自身も含めて)には正直なところ驚かされます。みんなの努力で、今回の困難な局面を乗り越えられればと思います。しかし季節は夏に向かいます。暑さと湿気の「日本の夏」です。夏の最中にマスクを着用することを考えると、やっぱり憂鬱な気分になってしまいます。みなさんも、このところ一般的な不織布のマスク以外に、色々なマスクが登場していることに気づかれていると思います。「必要は発明の母」です。マスクの着用が常態となった新しい「生活様式」における消費者の要望を反映して、夏場のマスク着用不快感を低減したり、新しいファッションアイテムとしてのマスクが生まれてきています。

2020年7月6日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

ユニクロのエアリズムマスク

蒸れやすい夏本番を迎え、通気性などをうたったユニクロのマスクが登場。デザイン性の高いマスクもファッションアイテムとして需要が生まれた。異業種が新規参入し、ウイルスに負けじとマスクも多様に進化する。消費者ニーズに応じたマスクが増えれば、着用率向上につながり、感染予防の後押しになる。”

“6月19日、ユニクロは「エアリズムマスク」(3枚組で税別990円)の販売を始めた。速乾性や通気性に優れる機能性肌着「エアリズム」の素材を使っており、蒸れやすい夏を乗り切るマスクの本命として消費者の期待が集まっている。ユニクロは毎週50万点を販売する方針で、柳井会長兼社長は「1年間ご愛顧いただきたい」と語る。ユニクロは当初はマスクの参入に否定的だったが、消費者の声を受けて方針を転換した。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、ユニクロを突き動かすほど消費者のマスクへの切望感が高い。

“これまでマスクの主力は不織布だった。不織布はポリプロピレンなどの樹脂でできた化学繊維を熱や接着剤を使って布状にしたもので、マスク以外にも紙おむつなど幅広く使われる。1月に中国で感染が広がり始めると、この不織布マスクが一気に品薄になった。ユニ・チャームなど日用品メーカーが増産に乗り出したが需要に追い付かず、業者が中国産のマスクを大量に輸入し始めた。ただ、中国産は品質にばらつきがあり、不安の声が広がった。そんなタイミングで思わぬ助っ人が現れた。シャープだ。国産の不織布マスクに参入したシャープに消費者は殺到した。3月から三重県多気町の液晶ディスプレー工場を活用してマスクの生産を始めた。4月に自社サイトを通じて50枚入り2980円(税別)で販売したところ、サイトにアクセスが集中して接続しにくい状況が続き、販売は抽選方式になった。足元の生産枚数は1日50万枚程度だという。”

アイリスオーヤマ(仙台市)も不織布などの材料も集め、中国などの企業に頼らずほぼ全てを国内で作れるようにした。6月から宮城県内の工場で家庭用のマスクの製造を始め、8月に月1.5億枚程度の生産を目指す。”

“相次ぐ新規参入は素材メーカーの投資を後押しする。2019年の日本での不織布の用途別のシェアは自動車向けフィルターなどの工業用が多くを占め、マスクを含めた医療・衛生用は24%程度にとどまる。マスクの国内供給の8割を輸入が占め、付加価値を出しにくいため注力してこなかったのが実情だが、風向きは変わった。東レは5月からマスク向け不織布の生産を2.6倍に増やした。海外でおむつ向けの生産ラインを転用したほか、滋賀事業場(大津市)内でも生産を始めた。国内外の生産量は月産8千万枚分となる。フル生産で対応する三井化学も今後、マスク向け生産設備を増強する計画があるという。クラレも増設工事中の岡山県の不織布工場に追加投資し、医療用マスク向けの高機能フィリターを生産できるようにする。”

必要は発明の母である。「TPO」を問わないマスク着用が新常態となり、用途に応じて使い分けたい消費者ニーズをくみ取る動きが広がる。ミズノは水着などに使う素材を採用し伸縮性を高めたマスクの販売を始めたほか、裏側に涼感素材を使ったマスクも投入した。スポーツ選手が付けたことも人気を呼び、5月の販売時にアクセスが殺到。販売予定枚数を5万枚から87万枚に増やした。”

ファッションマスク

毎日使うマスクをおしゃれに着けたい消費者の声に応え、アパレル各社はファッション性の高いマスクを投入する。三陽商会は洋服とのコーディネートを楽しめるマスクを発売した。チェック柄やストライプ柄など16種類をそろえ、気分や季節に合わせて選べるようにした。洗って繰り返し使える。自社サイト限定で販売し、価格は1枚入りで税別900円。第1弾は1時間で完売するほどの人気だったという。婦人衣料のマッシュホールディングスも布製マスクを発売した。顔が小顔に見えるように、マスクのサイズを大きくしたり、立体感を出して鼻筋が目立つようにしたりした。婦人衣料のクロスプラスもチェックや花柄など17種類のマスクをそろえる。服飾雑貨のサマンサタバサジャパンリミテッドもマスクを扱う。”

“中国は世界のマスク生産量の約半分を占めるとされる最大の生産地だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け生産量は一段と増えている。中国の調査会社によると、中国の2020年のマスク生産量は1025億枚で前年比20.5倍になる見込みだ。

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