号外：GODIVA、北米全128店撤退　感染症が追い打ち

2021年1月26日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

“高級チョコレート菓子で知られるベルギーのGODIVA（ゴディバ）は1月25日までに、北米での店舗運営事業から撤退すると発表した。全128店舗を3月末までに閉鎖または売却する。新型コロナウイルス感染症の流行で消費者の行動が大きく変わり、対面営業の需要が低下したと判断した。”

“米メディアによると、ゴディバは近年、カフェ併設店舗を開業して事業拡大を進めてきた。だが、主力の大型商業施設内の店舗はかねて来客数が低迷しており、新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちをかけた。今後はインターネット通販や量販店での販売に力をいれる。店舗の従業員は撤退に伴い解雇されるとみられるが、対象人数など詳細は明らかにしていない。欧州や中国などの店舗は営業を続ける。”

“ゴディバは従来、店舗を全米に400店以上、世界で計2千店を開業する計画を掲げていた。米国では新型コロナウイルス感染症の流行により、店舗を主体とする小売業や外食業の経営が悪化している。”

「GODIVA」は世界的に著名なチョコレート菓子のブランドです。日本にも店舗がありますので、皆さんご存知のことと思います。全米で400店以上の展開を計画していましたが、既存全128店舗を閉鎖して、アメリカでの店舗運営事業から撤退するという決定です。ネット通販や量販店での販売は継続するようですが、販売方針の大きな転換です。新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、ゴディバに限らず、特に高級品の店舗での対面営業はダメージが大きいようです。一昔前までは、商品は店舗で販売することが主流でしたが、昨今では、インターネットを利用したマーケティングや販売（配送を含めて）の利便性が向上し、急速に市場に普及しています。今後、特にブランドが確立されている商品では、このような事例が増えてゆくのかもしれません。感染症が収まったとしても、全ての消費が店舗に戻ってくることにはならないでしょう。商品を購入するという行為が、必ずしも「買い物に行く」という行動につながらなくなるわけですが、それが「新しい行動様式」だとしても、少し寂しいことのようにも思います。