号外:変異ウイルス!世界で猛威、ペルー起源の「ラムダ株」も
新型コロナウイルス感染症について、国内では新規感染者数の減少傾向が見られ、病床の逼迫程度も改善されたことから、「緊急事態宣言」が「まん延防止等重点措置」に切り替わりました。しかしこのところ首都圏や関西圏では再び新規感染者数が増加傾向にあります。7月23日に迫った東京オリンピックの開催については、世界各地から選手団や関係者の入国が始まり水際対策が強化されていますが、一部には準備不足や不手際も散見されます。各競技については、観客数を制限して実施する予定ですが、人の移動が増えることで新規感染者が増加することが懸念されています。また、すでに新規感染者が増加傾向に転じた地域があることもあり、無観客での開催に変更する可能性も示唆されています。国内のワクチン接種も進んでいますが、希望者全員が接種を終えるにはまだまだ時間がかかります。私(62歳)のところにも接種券が送られてきましたが、ワクチンの供給自体が不安定(想定より遅れている)なため、接種予約の受付を一時停止しているところもあります。
世界では、このところ感染が再拡大する懸念が強まっています。
2021年6月29日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、
”世界で新型コロナウイルスの感染が再拡大する懸念が強まっている。アジアやロシアなどでインド型(デルタ株)が広がる一方、中南米ではペルーやブラジルを起源とするウイルスが拡大している。感染力が強い変異ウイルスに対し、各国・地域はワクチン接種の促進とともに水際対策の強化に乗り出している。”
”米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、新規感染者数(7日移動平均)は4月下旬の82万人をピークに減少傾向が続いたが、6月中旬に入り下げ止まった。6月27日は約37万2000人と、6日連続で前日実績を上回っている。”
”感染拡大の最大の要因は変異ウイルスだ。インドネシアでは新規感染者数が連日ように過去最多を更新しており、感染が沈静化しつつあったロシアや南アフリカでも急拡大している。多くの国ではデルタ株が要因だとみられている。世界の新規感染者の4割を占める中南米地域では、ペルーを起源とする「ラムダ株」が拡大している。世界保健機構(WHO)は「感染力が高く、抗体に対する抵抗力がある可能性がある」と指摘した。ペルーでは新規感染の80%以上がラムダ株だとしている。南米では依然としてブラジル発の「ガンマ株」も広がっているほか、ブラジルではデルタ株による死者もでるなど、複数の変異株が各国で入り乱れている状況だ。”
”各国は水際対策を強めている。ポルトガルは6月28日から、ワクチン接種を受けていない英国からの渡航者に対して2週間の隔離措置を科した。香港も英国からの渡航者にデルタ株感染者が確認されたとして、7月1日から英国発の旅客の乗り入れを禁止する。独メディアによると、ドイツは6月29日からロシアやポルトガルからの入国を制限する。”
”一方、感染拡大に歯止めをかけるために行動制限を強化する動きも相次いでいる。南アフリカは28日から酒類の販売禁止や集会、飲食店の営業を制限する措置を導入した。タイやマレーシア、ベトナムでも経済活動の制限が始まっている。”
”英オックスフォード大の研究者らがつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、27日時点での全世界の人口100人あたりのワクチン接種回数は38回と、1か月前から約6割増加している。ワクチンの普及は世界経済にとってプラス要因だが、変異型の拡大は勢いを増しており、予断を許さない状況だ。変異型への感染が一段と拡大するようだと、ワクチン接種の増加とともに進む経済回復を遅らせるリスクとなりかねない。”