号外:第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)開催-①
英国のグラスゴー、10月31日から11月12日までCOP26が開催され、197の加盟国・地域の首脳や関係閣僚、交渉官らが集まり、地球温暖化対策を話し合います。
2021年10月29日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、
<COPの歴史>
“COPは「Conference of the Parties」の略語で、締約国会議を意味する。今回が26回目なので「COP26」と表現している。もともとは1992年のリオデジャネイロの国連環境開発会議(地球サミット)で国連気候変動枠組み条約に各国が署名。現在、気候変動枠組み条約は197か国・地域が批准し、地球温暖化対策の国際的な枠組みを決める会議の中でCOPは最高決定機関だ。”
“1995年にベルリンで第1回会合を開き、1997年の京都でのCOP3では京都議定書をまとめた。ただ、先進国だけに排出削減を求める内容だったため米国が離脱し、骨抜きになった。その後、2015年のCOP21で約200か国が合意する「パリ協定」を採択した。工業化前からの気温上昇を2度未満に抑え、1.5度以内にするよう努力する目標が掲げられ、各国はそれに基づき気候変動対策を進めている。京都議定書もパリ協定も気候変動枠組み条約の下にある取り決めだ。京都議定書は温暖化ガス削減への法的拘束力があったが、パリ協定は削減に対して法的には縛ってはおらず、緩やかな国家間の取り決めだ。”
“会議には例年、各国の交渉関係者だけでなく、最先端の技術や気候変動対策を提案する企業関係者、NPO、環境保護運動で著名なグレタ・トウンベリ氏らも現地に集まり、意見を交わしたり、議論に注文をつけたりしてきた。”
<COP26の概要>
“COP26は10月31日から11月12日まで、英スコットランドのグラスゴーのスコティッシュ・イベント・キャンパスで開催する。会期は交渉状況によって1~2日延長する可能性がある。議長国の英国はCOP26の一環として11月1~2日、首脳級の「ワールド・リーダーズ・サミット」を開催する。岸田文雄首相も参加し、2日にスピーチする予定だ”
“COP26の主なテーマは、①2030年までの温暖化ガスの削減目標の引き上げ、②国際排出枠取引制度の詳細ルール決定、③環境対策のための途上国への資金支援、などだ。各国はCOP26に向けて排出削減目標を引き上げてきたが、現時点では取り組みが不十分とされている。温暖化ガスのいっそうの削減に向け、石炭火力の早期廃止や電気自動車(EV)の普及、温暖化ガスを吸収する森林の保全といった具体策を議論する。”