薦めたいスポーツブランド第1位、ザ・ノース・フェイス
日経ビジネスが消費者1万人に実施した「薦めたいブランド」の調査で、スポーツブランドではザ・ノース・フェイスが1位になりました。キャンプなどのアウトドア・レジャーがブームになっていることもあり、消費者から強い信頼と支持を得ているようです。そう言えば、街を歩いていてもザ・ノース・フェイスのジェケットやバッグを頻繁に見かけますよね。
2022年1月28日日経ビジネス電子版に掲載された記事より、
”特定のブランドをどれだけ友人や同僚に薦めたいかを11段階で選んでもらう「顧客推奨度(NPS)」を調査した。10~9点を選んだ人を「推奨者」、6点以下を「批判者」とし、全体に占める推奨者の割合から批判者の割合を引いてスコアを算出した。“
”スポーツブランドのランキングでは、ザ・ノース・フェイスが1位となった。ザ・ノース・フェイスは米国に本社があり、日本と韓国ではスポーツ用品のゴールドウィンが商標権を得て事業を展開している。ファッション性の高いダウンジャケットなどが若者の支持を集め、2位のナイキ、小数点第2位のわずかな差で3位になったニューバランスを大きく上回った。”
”最近では、キャンプ市場の拡大も追い風だ。ザ・ノース・フェイスを主力とするゴールドウィンのアウトドア部門売上高は2021年3月期に781億円となり、4年間で2倍に達した。価格は決して安くはない。例えば「ヒマラヤンパーカ(メンズ)」は、公式通販サイトで9万200円(消費税込み)する。それでも根強い支持を集める理由について、ゴールドウィンのマーケティング担当者は、高いファッション性と同時に機能性の高さが評価されていると分析している。”
”ゴールドウィンによる100以上の国内直営店など、日本で販売する商品のほとんどは日本で企画、開発、製造している。海外ブランドの商品は、たとえ高い機能を持っていてもサイズが合わず、着心地を損なう場合も多い。ザ・ノース・フェイスの日本の商品は日本人の体形やニーズを踏まえて開発される。登山家やロッククライマーといった数多くのプロアスリートに何度も試してもらい、ゴールドウィン創業の地である富山県小矢部市の本店で、使いやすさを最大限まで改善する。
”「ヒマラヤンパーカ」も、過酷な寒さに耐えられるうえ、軽さ、動きやすさなども重視されている。登山からのお墨付きを得られるまで妥協しないからこそ、一般消費者にも満足してもらえる機能性が担保できているというわけだ。”
”一方で、人気が高まっても、むやみな事業拡大策を取らないように強く意識しているという。様々なブランドからコラボレーションの提案を持ちかけられるものの「売り上げをアップさせるためだけのコラボはしない」という。自然との共生を掲げるアウトドアブランドへの共感者が増えることで、結果的に売上が付いてくるという考え方を重視している。”
”またヒマラヤンパーカをはじめすべての製品の修理においては、製品への愛着や環境保護につながるという観点から、製品には生涯保証を付けて職人の手で修理するという体制を取っている。店舗のコンセプトやイベントなど一つひとつの活動でも、自然と向き合うブランドとしての思想を体現しようとしてきた。一貫した哲学を守り続けているからこそ、そこに共感するファンを引き寄せられる。ザ・ノース・フェイスはそう考えている。”