今治タオルメーカーのスポーツ分野開拓
軽いジョギングや散歩でも体を動かせば汗ばみます。もっと運動量が多いスポーツをする時には汗を拭くタオルは必需品ですね。私は気候が良い時期にはクロスバイクを乗り回すのですが、その時には必ず大き目のスポーツタオルを持っていきます。昨今はコロナ禍の影響もあり手を洗う機会が増え、コットン織物のハンカチでは用が足りず、私はタオルハンカチを持ち歩くようになりました。とはいうものの、肌触りと吸水性はタオルを使えば分かりますが、それ以外のタオルの性能についてはあまり意識してこなかったように思います。
2022年2月15日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、
”今治タオルメーカーのイケウチオーガニック(愛媛県今治市)がスポーツ選手とスポンサー契約を相次いで結んでいる。選手に自社製品をSNS(交流サイト)で発信してもらう。アスリート向けのタオル開発も進めており、2022年夏にも新商品を発売する。専業メーカーの多様な商品群を生かし、スポーツブランドが席巻する市場での新たな需要を開拓する。”
”イケウチは1月までに約10人のアスリートと契約し同社のタオルの提供を始めた。同社は用途別に200種類以上のタオルをそろえており、競技ごとに異なるアスリートの要望にきめ細かく応えられるのが専業メーカーの強みだ。契約選手の競技はサッカーやアイスホッケー、陸上など多岐にわたる。面談で選手の好みを聞き取り競技の特性などと照らし合わせて最適なタオルを届ける。”
”アスリートからの声は新商品の開発にも生かす。契約を結ぶマラソン選手の協力を得て、2021年からアスリート向けタオルの開発を進めてきた。練習の時間が長く、大量に汗をかくため消臭の需要が高いという。肌触りや吸水性を保ちながら消臭機能を高めた新商品を試作しており2022年夏にも販売を始める。イケウチがスポーツ市場に着目したのは約7年前。東京五輪・パラリンピックの開催が決まっており、アスリートが使うタオルに注目した。スポンサーの関係でスポーツブランドのロゴ入りタオルを使う選手が多いが、タオルに対する細かな要望に自社製品ならもっと応えられると考えた。”
”イケウチはアスリートの間で同社のタオル愛用者を着々と増やしつつある。サッカーJリーグ3部(J3)で地元のFC今治(今治市)に対してスポンサーとしてタオルを提供。サッカー選手は移籍が多く、移籍先のチームでも口コミで利用者が広がっているという。最近は選手からタオルのサポートを依頼されるケースも多く、今後は契約選手を増やしてあらゆる競技で1人以上の選手と契約するのが目標だ。”
“さらに一般消費者への波及効果も狙う。アスリートにはSNSでタオルを使った感想を発信してもらっており、選手のファンを中心に、服や靴のようにタオルにも使用シーンなどに応じてこだわってもらえるようにしたい考えだ。”
”世界での活躍が期待される若い選手をターゲットに契約を結び、海外でもブランドの浸透を図る。池内計司代表は「選手に憧れる人も多いはず。選手がいいタオルを使えば高価なタオルの市場も広がる」と話す。「パリ五輪には当社のタオルを使う選手が出てきてほしい」と期待を込める。”