号外:お米の逆襲!

私たち日本人の主食は「お米」だと思っていたのですが、家計の米への支出額がパンに逆転されてから約10年が経過しているそうです。そういえば、我が家でも朝はパンとコーヒーです。昼は会社の近くで麺類(小麦、そば)か定食(米)です。夕食ではお酒を飲むので、ご飯は食べたり食べなかったり。主食は「お米」だというほど、確かに食べていないようです。このところ、コロナ禍からの景気回復による需要の増加、気候変動による収量の低下や物流の混乱、そして世界の穀倉地帯で起きたロシアのウクライナ侵攻による供給の不安定化(両国で世界の輸出量の30%程度を占める)で、世界的に小麦の価格が急騰しています。その一方で、お米は国産であり、価格も安定しています。もっとお米を食べることを考える良い機会かもしれません。

2022年4月25日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

お米

小麦などの穀物の価格が急騰する中、価格が比較的安定しているコメの存在感が高まっている。即席米飯の販売は好調に推移。亀田製菓は米粉パンのブランドを3月に立ち上げるなどコメ需要活性化に向けた新たな取り組みも生まれている。家計調査の支出額でパンに抜かれて約10年。コメ復権に向けた現場を追った。”

”うどんチェーンの丸亀製麺を展開するトリドールホールディングス(HD)が3月、「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」の1号店を東京・新宿にオープンした。米から作った米線(ミーシェン)と呼ばれる麺とスープを合わせた料理を提供する新業態だ。日本の消費者にはなじみの薄い料理だが、創業の地の香港では毎年3000万人以上が来店する人気業態だ。もちもちした食感で、日本人好み。辛いスープに負けない麺になっているという。2024年3月期までに国内で25店舗を展開することを目標に掲げている。”

お米の価格推移

今、食品の材料としてコメに注目が集まっている。亀田製菓はこの春に立ち上げた米粉パン「Happy Bakery」への関心の高さに手応えを感じている。グループ会社が持つ米粉パンの製造技術と商品を組み合わせた新ブランドだ。これまでグループで分かれていた米粉パンを統一ブランドとして展開することでシェア拡大につなげる狙いだ。商品数は食パンと丸パンタイプの商品の計9品目を展開する。成城石井などの高級スーパーとネット通販を通じて販売しているが、健康志向や小麦アレルギーを持つ子供がいる30~50代の女性を中心に売上が伸びているという。

コメを軸にした各社の取り組み

農林水産省は3月、国が輸入して製粉会社などに売り渡す小麦の価格を4月から前半期(10月期)に比べて平均17.3%引き上げると発表した。ウクライナ情勢の緊迫化などで上昇した小麦の国際価格高を反映。小麦粉を原料とするパンやパスタなど様々な食品の値上げ圧力となっている。そこで注目されているのが、おコメだ。特に小麦粉の代替として米粉が存在感を発揮しようとしている。パンでは小麦粉に加えて米粉を配合した製品が昨年の秋以降急激に増えているという。容量が約200~300グラムの家庭用の米粉商品を取り扱うスーパーも増えており、家庭での調理の際の利用も広がっているようだ。もっとも、農水省によると米粉用米の需要量は2021年度で4万トンあまり。小麦粉の需要には遠く及ばない。新たな分野でコメの消費量の削減に歯止めをかけるにはまだまだ力不足だ。

パック米飯の販売推移

米飯類そのものの販売拡大も期待されている。小麦などの物価がどんどん上がるなかで、相対的に割安なコメの消費は伸びていくだろうと予測される。実際、巣ごもり消費の拡大もあり、手軽な即席米飯(パック米飯)の市場も拡大している。全国のスーパー約470点の販売データを集める日経POS(販売時点情報管理)情報によると、3月のパック米飯の来店客1000人当たりの購入金額は4542円と前年同月比で4.5%増えた。

市場拡大を受けてテーブルマークなど即席米飯を手掛ける食品メーカーは相次いで関連商品を拡充している。テーブルマークは3月から新潟産の大粒ごはんを使った商品や糖質を25%カットした商品を投入した。糖質オフの商品は大麦を50%配合することで白米と比べて25%糖質を減らした。同じく低糖質を切り口にした米飯に取り組んでいるのが三菱食品。「からだシフト」シリーズでレトルト米飯やおかゆ、カップライス、冷凍食品などを展開している。パック米飯最大手のサトウ食品は、2022年4月期の連結純利益が前期比14%増の17億円となり、過去最高を更新する見通しだ。簡便性や祖損製の高さなどで災害時の備蓄だけでなく「常備食」の需要が増えているという。”

ライスバーガー

”一方、外食・昼食でじわり存在感を増しているのがライスバーガーだ。もともとモスバーガーが有名だが、2020年に日本マクドナルドが「ごはんバーガー」を出して話題を呼んだ。ハンバーガーチェーン以外でも提供しているところが増えている。昨年、高島屋横浜店にオープンした「グリエ サ・ク・ラ ヨコハマ」でも和風ダブルライスバーガーも人気商品の一つだ。中の肉を甘辛いタレでごはんに合うようにしたといい、若い人から年配者まで人気だという。“

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