男性シャツに異変、「詰め襟」が増殖

たかがシャツの襟、されどシャツの襟。馴染みがあるのは、レギュラーカラー、ワイドカラー、ボタンダウンカラー、ラウンドカラーあたりでしょうか。他にも色々あるようです。最近ではスタンドカラーが増えてきているという話題です。残念ながら、私のクローゼットにはスタンドカラーシャツはありません。

2022年9月22日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

鎌倉シャツの詰め襟シャツ

“百貨店や専門店ビルでメンズのシャツ売り場を見ると、異変が起きている。通常のシャツ、ボタンダウンに加えて、襟の折り返しがない「詰め襟」のようなシャツが増殖しているのだ。首の周りを覆うように2~3センチの襟が立つこのデザインは、「スタンドカラーシャツ」と呼ばれる。そもそもはフランスの帰属が寒さをしのぐために、シャツにカラーを付けたのが起源といわれる。以前は一部の愛用者にとどまっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大でカジュアル志向が強まると、専門店を中心にじわりと取り扱いが増え始めた。特に2022年から「店頭で取り扱うブランドが目立つ」(高島屋)。”

“アパレル大手のオンワード樫山は主力ブランドの「J.PRESS」で2021年の2タイプ・5色から2022年は3タイプ・7色に広げ、生産数も3倍に拡大(同社ではバンドカラーシャツと呼ぶ)。三陽商会も主力の「マッキントッシュフィロソフィー」で生産数を増やしている。専門店ではメーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)が売れ行きの伸びに対応し、2022年の生産数をコロナ前の5倍に増やしている。売り場を見ると白や濃紺、茶に加え、デニムタイプなど多彩なスタンドカラーが並ぶ。”

“女性では当たり前のスタンドカラーだが、なぜメンズで増えているのか。まずは汎用性の高さだ。ジャケットの下に着てもかまわないし、「羽織りものとしても着られるのがポイント」(良品計画)という。ネクタイは締められないが、ボタンを1つ外しても首元が乱れた印象にはならず、フォーマルな場でも着やすい。詰め襟なので、まさに「学ラン文化」の日本には受け入れられやすい。

気温上昇の影響も大きい。ジャケットなしでも過ごせる期間が増えるなか、「スタンドカラーならばシャツ1枚でもきちんと見える」(メーカーズシャツ鎌倉)。それでいてプライベートでも堅苦しくない。まだまだ市場形成中なので、今着れば、おしゃれにも見える。フォーマル感と気軽さを兼ね備えたスタンドカラーシャツは、間違いなく存在感を際立たせるだろう。”

盤石に見えるファッションやライフスタイルも絶対ではない。例えば帽子のつば。野球漫画「ドカベン」の影響か、つばを曲げるのが長年のパターンだったが、最近は曲げずにフラットのままでかぶるケースが増えている。ヒップポップのダンサーのスタイルから20年ほどかけて少しずつ広まり、今はプロ野球選手でもつばの「フラット化」が進む。オリックスの山本由伸投手や楽天の田中将大投手などがこのタイプで、まねをする若者が増えている。”

停滞感の強い日本だが、男性がちょっとしたファッションの変化を楽しむ雰囲気になれば、世の中も華やぐ。マスク装着の顔なし社会は続くことだし、服での「スタンドカラー」でキャラを立たせよう。”

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