号外:食品ロスの削減:食べ物を粗末にしてはいけません

以前から日本の食料自給率が4割を切っていることがずっと気になっていました。食料自給率が4割以下ということは、6割以上を輸入しているということです。地球規模の人口増加に伴い、食料不足が懸念されています。その一方で日本は大量の食糧を輸入し、しかも大量の「食品ロス」を発生させています。これはサステイナブルではありません。

先般も、大手コンビニエンスストアで消費期限(時間)が間近になった食品を割引販売したオーナーに、コンビニエンスストア本部からクレームが付いたというニュースがありました。消費期限に近づいた食品は一定のルールで廃棄する取り決めになっているとのことです。全国展開するチェーン店では、食品の安全性を確保し、消費者の健康被害を防止し、自社のブランド価値を守るために、各店舗の判断に任せるのではなく、一定のルールを定めて運営するというのは理解できます。しかしまだ食べられる食品を廃棄するというのは、いかにも「もったいない」と思います。私たちは子供のころから「食べ物を粗末にしてはいけない」と教えられてきたはずです。

2019年9月18日の日本経済新聞電子版に掲載された記事です。

“大手食品会社が人工知能(AI)など先端技術を使い、食べられるのに廃棄される食べ物のごみ「食品ロス」の削減に乗り出す。10月1日施行の「食品ロス削減推進法」で企業の対策も求められる。サプライチェーンの川上にいる食品会社の対策が進めば削減効果は大きい。”

“農林水産省によると、日本の食品ロスは2016年度時点で643万トン。このうち55%の352万トンを占める事業系の中で、食品メーカーからの発生量はその4割弱を占める。小売業や外食産業を上回り、業種別では最大だ。施行される食品ロス削減法は、食べられる食品の廃棄を減らすため、国の基本方針を踏まえ自治体が削減推進計画を策定し、企業に協力や取り組みを求める内容だ。努力義務のため、罰則はないが、食品メーカーの対応は急務となっている。

<食品メーカーの具体的な取り組み例>

ニチレイフーズ:唐揚げなどに使う包装前の鶏肉加工品で、除去しきれない骨をAIで識別する技術を開発した。従来のX線検査では肉の形状や置き方によって骨がなくてもあると誤認することがあり、一定量を捨てていた。AIで検査精度を高めて歩留まりを改善する。

カルビー:原料や製造工程を見直すことで、主力商品のポテトチップの大半の賞味期限を、これまでより2ヶ月長い6ヶ月まで延ばす予定。

相模屋食料(大手豆腐メーカー):日本気象協会のデータを活用し、気温の上昇に左右される豆腐の需要予測精度を高め、作り過ぎを抑制する。

食品メーカーだけでなく、小売りや外食でも食品ロス削減の取り組みが広がっているとのことです。しかし食品ロスは企業だけの問題ではありません。グラフからもわかるように食品ロス全体の45%(約289万トン)は家庭からの廃棄です。私たちが食品を無駄にしているということです。ここは私たちが努力すれば減らせる部分です。「食べ物を大切にする」というサステイナビリティの基本に立ち返り、もう一度私たちのライフスタイルを見直すべきだと思います。

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