号外:TBM、CO2からプラスティック代替素材
脱炭素の一環として、既存のプラスティック素材を可能な限り代替素材に切り替えることは重要なテーマです。下記に紹介されている新素材は、環境負荷の低減に大きく貢献すると思います。性能やコストといった色々な課題があるのでしょうが、2024年内の発売とありますので、できるだけ早く、また広く普及して欲しいと思います。
2024年1月30日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、
“石灰由来の新素材を手掛けるTBM(東京・千代田)は、CO2由来の新たな主原料を使ったプラスティック代替素材を開発した。従来の自社素材に比べ、生産にかかるCO2排出量を減らせる見込み。CO2由来の主原料の調達で英新興企業と協業し、2024年内の発売を目指す。”
“米コロンビア大学発スタートアップのGreenore Limited(英国)とこのほど業務提携契約を結んだ。同社は、CO2と廃棄物由来のカルシウムを化学合成してつくる炭酸カルシウムを手掛ける。CO2は化学工場などの排ガスから回収し、廃棄物は製鉄所などから出る副産物を利用する。TBMが樹脂などと混ぜ合わせてプラスティック代替素材にする。”
“このため、主原料由来のCO2排出量は実質マイナスとみなされる「カーボンネガティブ」となる見込みだ。従来の自社素材「LIMEX(ライメックス)」は、枯渇リスクが少なく石油よりも環境負荷が小さい石灰石を主原料とする炭酸カルシウムを使っていた。これをカーボンリサイクル由来の炭酸カルシウムに置き換えることで、さらに環境負荷を減らす。”
“TBMは1月に開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、新素材を使った成形品やシート製品の試作品を発表した。今後は「協業先企業も増やしながら、国内外の需要を開拓する体制を広げていく」という。”