号外:温暖化ガス排出量、2022年度は11.35億トン

日本の温暖化ガス排出量が、2022年度は11.35億トンで、1990年度以降最低になったという話題です。トレンドとしては減少傾向が続いていますが、目標は世界に向けて約束した2050年の「ネットゼロ(温暖化ガス排出量実質ゼロ)」です。その達成のために必要な施策が確実に実行されるように、注意深く見守っていく必要があります。

2024年4月12日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

環境省は4月12日、2022年度の温暖化ガス排出量が11億3500万トンと、1990年度以降で最低だったと発表した。2021年度比では2.5%減少した。工場などの産業部門やサービス部門でCO2の排出量が減少したことが寄与した。伊藤環境相は閣議後の記者会見で、2030年度の排出量を2013年度比で46%減らす政府目標に向けて「順調な減少傾向だ」と語った。“

“部門別では、工場などの産業部門では2021年度比5.3%減となり、商業やサービスなどの部門でも4.2%減った。鉄鋼業の生産量が減少し、エネルギー消費量が減った。運輸部門は3.9%増えた。新型コロナウイルスからの社会経済活動の回復による旅客輸送の増加が影響した。”

温暖化ガス排出量排出量の推移

CO2排出量の4割は、発電や製油のエネルギー転換部門が占める。電源構成の割合は再生可能エネルギーが2021年度から1.4ポイント増加した一方、原子力は1.3ポイント減少した。石炭と天然ガス、石油の火力の合計は72.8%でほぼ横ばいだった。

環境省は海の藻や海藻がCO2を吸収した量が2022年度で35万トンだったとも発表した。海洋生物などが取り込み、その下の土壌に蓄積される炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶ。海藻による算定実績のある国はまだ存在しておらず、世界初の試みだ。沿岸面積の大きい日本がブルーカーボンをけん引する意義は大きく、世界的な潮流につながるかが期待される。

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