緊急:アマゾンの河川水位最低に
これは大問題です。CO2を吸収し酸素を供給する、世界最大規模の生態系であるアマゾン川流域の自然が、温暖化の影響による干ばつで深刻な打撃を受けています。温暖化による干ばつが、さらなる温暖化につながる悪循環が心配です。日本から見れば地球の裏側での出来事ですが、地球の自然環境は全体として影響し合っています。決して他人事ではありません。
2023年10月29日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、
“南米アマゾン地域を襲った史上最悪レベルの干ばつの影響で、同地域の河川の水位が過去最低の水準まで低下した。世界の気候の安定にとって重要な生態系が深刻な打撃を受けている。”
“ブラジル北部アマゾナス州の当局は、流量では世界最大級のネグロ川の水位が10月の第3週に過去最低を記録したと発表した。アマゾナス州の州都マナウス付近で計測された川の水位は、発表時の13.59メートルから同週末までに13.19メートルに一段と低下した。「前代未聞の状況で史上最悪の干ばつだ」とアマゾナス州のウィルソン・リマ知事は語る。同知事は州内の50を超える町や市の非常事態を宣言した。CO2を吸収するアマゾン熱帯雨林の機能は近年、森林伐採の拡大の影響で低下している。この世界最大の熱帯雨林は一部で森林火災が起きやすくなっており、干ばつでその発生リスクはさらに高まっていると専門家はいう。”
“ブラジル国立宇宙研究所によると、アマゾナス州では今月に2700件以上の森林火災が発生しており、10月としては25年前に統計を取り始めて以来最多となった。東太平洋の赤道に近い地域の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」と、大西洋の赤道より北の地域で発生した異常な暖水域が相まって、干ばつを引き起こしていると科学者は説明する。この2つの要因の組み合わせが雲の形成を妨げ、降雨量を大きく減少させている。アマゾン河口に位置する都市ベレンでは、9月の降雨量が平年の4分の1程度だった。”
“ソリモンエス川上流の7地区すべてと中流域の8地区すべてに非常事態宣言が発令された。ソリモンエスとはアマゾン川上流の別称で、通常はペルーとブラジルの国境からマナウスまでの区間を指す。この地域の画像を見ると、通常は豊富な水量を誇る河川が完全に干上がっているのがわかる。アマゾナス州当局によると、およそ50万人の住民が影響を受けている。渇水で主要な河川の輸送路が航行不能になり。多くの地域への食料、燃料の供給が減少した。”