号外:孫娘が産まれました!彼女の未来を守らなければなりません!

8月26日に孫娘が産まれました。初孫です。幸いに母子ともに元気に過ごしています。感染症の懸念もあり、まだ直接会うことはかないませんが、息子夫婦がこまめに写真や動画を送ってくれるので、それをながめてはニヤニヤしています。とうとう本当の「爺ちゃん」になりました。いやあ、本当にかわいいものですね。ありがたいことだと喜んでいます。

彼女が健やかに成長してくれることを願ってやまないのですが、彼女の未来を考えるときに不安に感じることもあります。彼女が頑張って自分の人生を切り開いてゆくことは信じて疑いません。両親が、場合によっては「爺ちゃん、婆ちゃん」が可能な支援をすることもまちがいありません。しかしこの世界には、それだけではどうにもならないこともあります。彼女が生きてゆく未来の地球環境は、彼女の人生を実り多いものにしてくれる安全で快適な状況にあるのでしょうか。

地球温暖化による気候変動が厳しさを増していることは、現在の私たちの日常として感じることができます。それだけ顕著だということです。地球温暖化を抑制するためには、地球の温度上昇を産業革命以前に比べて1.5℃以下に抑えなければなりません。そのためには、2030年までに世界の温室効果ガス排出量を半減させ、2050年までに実質ゼロ(CO2回収を含めて)にしなければなりません。2030年は10年後です。彼女は10歳になります。私たち夫婦も、それぐらいまでは元気でいられるように頑張るつもりです。2050年には彼女は30歳になります。彼女が子育てをしているかもしれません。さすがに私たちは役目を終えているでしょうが、彼女の人生はまだまだ続きます。彼女の未来を守るためには、私たちが、今、行動しなければならないことを、改めて強く思います。よく言われる言葉ですが、地球環境は未来世代からの借り物で、健全な状態で返さなければならないものです。私たちの現在の行動は、未来の世代から見て許容してもらえるものでしょうか。

経産省のデータによると、日本の電力供給量は2018年末時点で、天然ガスが38%、石炭が32%、石油が7%、原子力が6%を占め、再生可能エネルギーが17%となっています。このように化石燃料への依存度が高いため、日本の電気のCO2原単位はOECD平均よりもはるかに高くなっています。ドイツや米国の発電が1キロワット時あたり約383~386グラムのCO2を排出するのに対し、日本の発電は1キロワット時あたり約427グラムのCO2を排出していると推定されています。英国の発電のCO2原単位は約170グラムと推定され、日本の半分以下となっています。

日本でも、老朽化した石炭火力発電所を段階的に廃止する方針が出されました。しかし残念ながら、現在のエネルギー基本計画では、2030年時点の電源構成でも26%が石炭火力発電によるものとなっています。国連からは、日本の「石炭中毒」と言われています。エネルギー部門は、世界全体のCO2年間排出量の3分の2以上を占めており、これまでの化石燃料への依存から脱却して、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギーシステムへの転換が早急に求められています。1.5℃の目標を達成するためには、先進国では2030年までに、新興国でも2040年までに石炭火力発電をほぼ完全に廃止する必要があると言われています。英国は2025年までに石炭火力を全廃し、ドイツが2038年までに石炭火力の全廃を計画しています。日本のエネルギー政策は抜本的な見直しが必要です。

日本のエネルギー業界では、再生可能エネルギーは高価で信頼性が低いというのが一般的な見方です。しかし世界では、特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーが急速に安価なエネルギー源になりつつあります。新しい電源の投資先としてはすでに圧倒的に選ばれるようになっています。理由は、風力や太陽光エネルギーは無料で、石炭やガスのような継続的な燃料費が必要ないからです。必要なのは、適切な送電線、柔軟な電力網やマネジメントシステム、そしてエネルギー貯蔵ソリューションです。大規模な初期投資は必要ですが、再生可能エネルギーの経済性を考えれば、短期間で、従来のエネルギー源よりもはるかに安価なエネルギーを生産できるようになるでしょう。必要とされる技術はすでに存在しています。あと必要なのは、社会としての合意形成と政策としてのコミットメント(目標やルールの設定、税制上の優遇などの補完的な政策)です。そうすれば、ESGの台頭により、新たな投資を呼び込み、雇用を創出することも可能でしょう。

クリーンエネルギーの活用によって自然災害を抑制できれば、様々な危機や不安定性、およびそれらに対応するためのコストを削減することができます。また未来世代のためにも(私の孫娘のためにも)、きれいな空気、きれいな水、そして持続可能で良好な地球環境を手に入れることにつながってゆきます。

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