号外:びっくりドンキーの循環経営

自宅の近所にもハンバーグレストランの「びっくりドンキー」があります。年を取るとハンバーグは少しヘビーなのですが、お店は家族連れを中心に賑わっているようです。その「びっくりドンキー」が環境に配慮した循環型経営を推進しています。食品ロスも気になる話題ですが、外食企業でこのような取り組みが進むことは、とても素晴らしいことだと思います。

2021年3月10日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

“ハンバーグ店「びっくりドンキー」を展開するアレフ(札幌市)が独自の循環型経営に磨きをかけている。店舗の食品ロスは直営の観光牧場「えこりん村」(北海道恵庭市)で肥料や燃料に変わり、生産された羊肉がお店で提供される。2050年にCO2排出量8割減を目指すリサイクルが板についてきた。”

びっくりドンキーの循環型経営

“アレフの各店舗には車1台分の大きさの生ごみ処理機が設置されている。生ごみは数日かけて熱風で乾燥・粉砕され、体積が約半分の粉状にしてえこりん村へ。メタンガスを発生させ、バイオガスプラントに投入して電気に変える。

“新型コロナウイルスの感染拡大で店舗の食材ロスは増えた。運ばれるのは小樽市銭函で製造する「小樽ビール」の製造時にできるビールかすや、札幌市内の店舗から集めた生ごみ。店舗でポテトフライなどを揚げた後に残る油も回収し、えこりん村のバイオガスプラントの燃料として活用している。約50人が勤務する恵庭事務所では、約7割のエネルギーを自前でまかなっている。収集した廃棄食品を燃料にするためにかける人件費を考慮すると、食材によっては廃棄する方が安いというが、せっかくの食材を最後まで活用したいという思いは強い。

“自家発電は年間13万4千キロワット時の電力を供給する。余った場合には電力会社に売電もでき、通電経路制御できる装置を導入すれば災害時の電力としても活用できるという。北海道胆振東部地震でブラックアウトを経験した北海道では、非常時のエネルギー確保への意識も上がっている。同社がバイオガス発電プラントを設置したのは2002年。フードロスを肥料などに活用する事業者は多いものの、自社で発電設備を持ってまで社内消費にこだわるケースは珍しい。

メタンガスを取り出した後に残った窒素やリンが入った液体肥料を実験的にえこりん村の牧草地に散布したところ、通常よりも草の成長が早くなった。育った牧草は施設内で食用に飼育する羊の餌となるリサイクルは確立している。育った羊は貴重な北海道産羊肉として羊肉専門店に卸すほか、えこりん村でのイベント時に提供する。”

“同社は「食品ロスの問題は食料資源やエネルギー、生態系などにつながる重要な課題」と重視してきた。アレフは2050年のCO2排出量を2013年比で8割減らす目標を掲げている。直営店の調達電力も再生可能エネルギーへの切り替えを進め、化石燃料依存からの脱却を目指す。”

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