環境省Webサイト「SUSTAINABLE FASHION」

環境省が「SASTAINABLE FASHION」というWebサイトを公開しています。このサイトでは、ファッション産業に起因する環境負荷や、それを低減するための課題が、具体的な数字を示しつつわかりやすく紹介されています。ぜひご一覧いただければと思います。

www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

以下は、Webサイト冒頭のメッセージです。

ファッションのあり方をアップデートして、次世代の環境につなげよう

ファッション産業は、製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されており、国際的な課題となっています。そして、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステイナブル(持続可能)なファッションへの取り組みが、近年急速に拡がっています。一方、日本においては、そのような取り組みはまだ限定的なのが現状です。そこで、環境省は2020年12月~2021年3月に、日本で消費される衣服と環境負荷に関する調査を実施。私たちの衣服の背景をしっかりと見つめることから、消費者として、企業として、どのようにして改善できるかを考えていきましょう。

サステイナブルファッション衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組みのことを言います。このWebサイトでは、環境への影響にフォーカスを当てています。私たち一人一人がその改善に取り組み、持続可能なファッションをつくっていきましょう。

このWebサイトでは、「ACTION:ファッションと環境へのアクション」として“明日から私たちが取り組めるアクション”を消費者と企業の両方の視点から提言しています。そのいくつかをご紹介します。

1、今持っている服を長く大切に着よう。適切なケアをしたり、リペアするなどの工夫で、1着の服を長く着ることができます。

<消費者>、1着との長いお付き合いを:私たちが今所有している1着をできるだけ長く着ましょう。たったそれだけで環境負荷が減らせます。現在よりも1年長く着ることで、日本全体として4万t以上の廃棄量の削減につながります。

<企業>、長く着られる丁寧な服作り:長期間着られることを前提とした商品企画を行いましょう。消費者が実践するサステイナブルファッションの1位が「所有する衣服を長い期間利用する」でした。

<消費者>、手を加えて愛着倍増へ:服のお直しやリペアを施すことで、想い入れのある1着を長く着ることができます。古くなったと感じる服でも、少し手を加えるだけで新たな魅力と共に蘇ります。

<企業>、リペアで新たな価値作り:現時点でのマーケット規模は小さいですが、自社製品のリペアを事業として行うアパレル企業も数多く存在します。リペアを通じ自社製品と顧客との長期的な関係を維持しましょう。

2、リユース(再利用)でファッションを楽しもう。家族、友人、世の中のみんなで着まわせばファッションの楽しみ方も広がります。

<消費者>、服をシェアして楽しもう:シェアリングサービスやレンタルサービスを活用すると普段は着ないような様々なアイテムも気軽に試すことができます。また、ファッションスワップ(衣服交換会)などでも楽しみながら好きな1着を見つけられます。

<企業>、サブスクリプション制の導入等で、売れ残りや値引きせざるを得ないことの多いデザイン性の高いアイテムからも収益があげられます。おしゃれを楽しむ機会を継続的に創出するレンタルサービスを始めませんか?

<消費者>、セカンドハンド(古着)で何度でも楽しもう:バザーやフリーマーケットアプリ等により市場に再流通する衣服の量は、私たちが手放す衣服全体の2割程度、もったいないですね。服を服として再利用し続けることが、最も環境に優しく経済的です。

<企業>、フリマアプリの流通額が拡大する一方で、1年間1回も着ていない服は一人当たり約25枚も所有しています。着られていない衣服の再流通を促す取り組みを拡大していきましょう。

3、先のことを考えて買おう。本当に必要かなど、長い目で見て価値のある衣服を選びましょう。

<消費者>、本当に必要か見極めよう:衝動的に買って、ほとんど着ていない服はありませんか?私たちの約64%は所有する衣服の量を把握せずに服を購入しています。クローゼットを見直して、ちゃんと必要な服を買うようにしましょう。

<企業>、事前予約受注で売れ行きを予測してから発注するなど適正在庫に取り組み、アウトレットでの販売などを通じて最終的な売れ残りを数%に抑えられている企業も存在します。

<消費者>、長く着られる品質を選ぼう:1着を長く着るために品質を重視し、価格に見合う価値ある商品を購入しましょう。私たちの衣類の購入単価は年々下がっていますが、同時に着用期間も短くなっています。

<企業>、約4人に1人の消費者は「安く買い、流行のシーズンが終わったら処分するサイクルを見直したい」と感じています。セールを前提とした販売計画を見直し、シーズンをまたいでも販売する等の取り組み等が推奨されます。

これ以外にも、トレーサビリティやリサイクルについての提言もあります。衣服(ファッション)は私たちの非常に身近な製品であり、生活必需品です。ここで提言されていることは、大掛かりなことを始めることではなく、私たちの日々の生活習慣、生活態度を見直して、少しずつ無駄を省き、そのことで環境負荷を低減していこうということです。私たちが今日からでも始められることばかりです。消費者も企業も、大量生産→大量消費(=大量廃棄)という消費スタイルから脱却して、環境に配慮した持続可能な経済システムに移行しなければならないことは理解しています。衣類(ファッション)も同様です。

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