号外:無印良品、不要になった保冷剤を回収しリユースへ

我が家の冷蔵庫の冷凍室には、食品売り場などでもらった(有料だった記憶はありません)保冷剤がいくつも入っています。夏場はバンダナなどで包んで首に巻き、散歩する時に体を冷やすため使ったり、時にはお弁当がランチタイムまで傷まないように、持ち運びバッグに入れたりします。近頃は買い物に行くときに自前のバッグを持っていくことが多いので、保冷バッグを持っていく時には家から保冷剤を入れて行ったりもしています。そのまま捨てるにはもったいない気がして冷凍室に入れてあるのですが、数が多くなると食品を入れるスペースが狭くなってしまうので、時々まとめて捨てています。でも、きちんと取り扱えば再利用できるものですから、やっぱりもったいないですよね。

2021年9月18日付けSustainable Brands Japanに掲載された記事より、

”スイーツや生ものなどを買って帰る度に入れてもらい、知らず知らずに冷蔵庫などにたまってしまって処分するのにも困ってしまうものの筆頭に、「保冷剤」があるのではないだろうか。そんな保冷剤を回収し、リユースする取り組みを良品計画が9月10日から始めている。全国の無印良品126店舗で、同店で配布したものに限らず、汚れや臭いのないものであれば不要になった保冷剤をすべて引き取り、洗浄と殺菌処理を施した後、再度冷凍して、冷凍食品の持ち帰り用に再利用するというものだ。

”国内の保冷剤メーカーでつくる「日本保冷剤工業会」のHPによると、一般的な保冷剤は水を少量の高吸収性ポリマーでゲル化させて作られており、食品添加物と同等の防腐剤・安定剤が加えられている。防腐剤は、中のゲルにカビが生えたり、菌が増殖して万が一破れた場合、食品を汚染してしまうのを防ぐために、安定剤は含まれた水の安定した凍結を促すために入れられているが、いずれも「人体や環境には無害な原料からできている」という。”

”高吸収性ポリマーとは水と接触すると瞬時に吸収して膨らみ、全体をゲル状にする性質を持つ合成高分子のことで、簡単に言えば、保冷剤とはプラスティック素材と水でできていることになる。もっともペットボトルや紙パックなどと違い、容器包装リサイクル法の対象外であることから、ごみとして分別する場合には「可燃物」に区分する自治体が多いものの、水分が多く焼却炉の温度を下げるといった理由から「不燃物」としている自治体もあり、それぞれの自治体に問い合わせることが肝心だ。”

”今回のサービスについて、良品計画では「暮らしの困りごとで解決できることはないかを考える中で、持ち帰ってもどう処理すれば良いものか困るものである保冷剤に着目した。考えても特に使い道がなく、冷凍庫に収まらないものは最終的にごみとして捨てることになるため、なんとかして保冷剤のごみを減らすことはできないかと考えた結果、再利用することを思いついた」と説明している。今のタイミングになったことについては、コロナ禍でステイホームの時間が長くなるのに比例して、冷凍食品の売り上げが伸び、それに伴って必然的に保冷剤を配布する量もふえていったことにあったという。”

回収する保冷剤は汚れや臭いのついていないものであれば全国の無印良品で配られたものでなくても構わないこともあり、サービスは9月10日に始まったばかりにもかかわらず、すでに多くの不要になった保冷剤が持ち込まれているそうで、「処理に困っていたので助かっている」「良い取り組みであると思う」といった声が多数寄せられているという。”

”回収した保冷剤は洗浄し、殺菌した上で、冷凍食品やチルドスイーツなどの購入時に商品と一緒に配布するが、「汚れや痛みによる液漏れが発生しない限り、何度でも繰り返し利用できると考えている」と言い、二度、三度とリユースされる場合もありそうだ。1人何個までといった制限もなければ、逆に、年間何千個ほどの保冷剤を回収していきたいといった目標も特に定めていないとしている。”

保冷剤を再利用することを思いつくことは、そんなに難しいことではないと思います。難しいとすれば、回収して洗浄・殺菌して再利用する手間やコストを考えると、新品を使う方が効率的な場合です。保冷剤のコストは分かりませんが、再利用が進まないとしたら、そのような理由があるからだと思います。しかし、省資源や環境負荷低減を考えるのであれば、少しの手間で再利用できるものは、できるだけ再利用すべきですよね。広く市中で再利用・循環する保冷剤を利用した、新しいマーケティング手法なんて、何かないでしょうか。

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