リサイクルコストの回収:サステイナブルなビジネスとしての継続性

どのような製品を対象にするにせよ、リサイクルシステムは社会に定着してこそ環境負荷を低減し、持続可能社会の構築に貢献します(サステイナビリティ)。社会に定着するということは、システムが継続して稼働するということです。システムが継続して稼働するためには、リサイクルコストを回収して、ビジネスとして成立しなければなりません。コストが回収できなければ、資金が尽きた時点でシステム停止です。ビジネスとして成立することで、システムが継続し普及してゆくことができます。

現行の製品をそのままリサイクルできる場合は問題になりませんが、リサイクルを前提とした(新たな仕様の)製品を企画・製造する場合、一般的な製品(今までの製品)より高コストになる懸念があります。回収・分別そして実際のリサイクル処理にもコストが掛かります。これらのコストアップをすべて販売価格に織り込めればよいのですが、いかに環境意識が高い消費者といえども、許容できる範囲には限界があると思われます。コストアップ分を販売価格に転嫁できなければ、その製品は赤字になります。赤字ではビジネスとして継続できません。

資金の不足を補う方法としては、協賛者を募り資金援助を受ける、国や自治体の補助金等を活用するなどの方法が考えられますが、ともかくビジネスとして継続するためには、何とかこの算盤を合わせておく必要があります。リサイクルされた材料が未使用の材料に比較して価値が上がっているということになれば、資金的な懸念は緩和されます。しかし多くの場合はリサイクル品にプレミアム価値が付くということにはならないと思われます。

「環境に配慮して持続可能な社会を構築する」(サステイナビリティ)ためのコストを、社会としてどのように負担してゆくかについては、十分に議論されるべきです。独りよがりの「見せかけ環境配慮」は排除されるべきですが、十分に吟味して本当に意味のあることであれば、社会全体として、費用負担を含めたシステム構築ができればと思います。「環境に配慮しよう」「自然を守ろう」と掛け声だけでは何も変わりません。環境問題に関心を持ち、環境に配慮したビジネスを考案する人や企業は必ず現れると思います。そのような人や企業を個人として、また社会として応援してゆき、結果的に持続可能な社会構築につなげてゆくというのが好ましい姿だと思います。

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