号外:早い梅雨明け、猛暑の条件そろう

今日は6月30日ですが、関西も梅雨明けして、今週は急に暑くなりました。今年の梅雨は、確かに湿度は上がりましたが、それほどの雨は降っていません。私が子供の頃とはすっかり気候も変わってしまったようです。これから暑さが厳しくなるので、熱中症を警戒するようにとの報道が連日なされています。エアコンを使う機会も増えてきて、値上げが続く電気代も心配です。その一方で電力需給が逼迫しているとの報道もあり、色々と心配な、厳しい夏になりそうです。

2022年6月28日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

“まだ6月だというのに、九州から北陸まで広い範囲が28日までに梅雨明けした。記録的な早さだ。関東などは先週から夏空が広がっており、既に梅雨は明けているというのが一般の感覚だったのではないだろうか。晴れてはいても不安定な天気で急に大雨が降るといった可能性が薄れ、気象庁が梅雨明けと発表できる状態になった。猛暑の条件はそろっており、しばらく高温が続く。熱中症の危険が増しエアコンの利用が不可欠になるため、電力需給が一層逼迫する恐れがある。”

”天気図に梅雨前線が描かれていなくても、「隠れた前線」が潜んでいる場合がある。26日ごろまで九州北部や日本海、北海道付近に存在し、梅雨のないはずの北海道で「梅雨末期の豪雨」のような状況になった。28日も北海道を前線や低気圧が通る。一方、西日本や東日本は広く夏の太平洋高気圧の勢力圏に入った。天気図のパターンは典型的な夏型に近い。”

夏の気圧配置の引き金となったのは、欧州から伝わってきた大気の変動だ。ドイツやフランス、スペインなどに6月半ば以降、猛暑をもたらした大気の変動が、水面を伝わる波のように広がり、日本付近に達した。この波が上空の偏西風の蛇行を生み出し、太平洋高気圧の勢力拡大を促したとみられる。ただ、同時に寒気を伴った小さな渦が南下し、一部で不安定な天気となって大雨をもたらす可能性もあったことなどから、気象庁は関東などの梅雨明け発表を27日まで、四国などは28日まで待ったようだ。”

日本で猛暑が続く仕組み

今後は猛暑をもたらす主役が勢ぞろいする。気象庁によると、日本のはるか南のインドからインドネシア付近の海で上昇気流が活発化し、その影響で北側の夏の高気圧が強まる見通しだ。さらに、熱帯太平洋東部の海面水温が平年より低く、西部で高めになる「ラニーニャ」現象が大気に影響を与え、上空の偏西風が平年より北のコースを通るようになる。結果として、チベット高気圧の勢力圏が北に広がりそうだ。”

”7月にかけて、そこへ新たに欧州から大気の波が伝わってくる可能性もある。日本付近の気温を上げるしくみが次々に働くため、猛暑が続く。今の時期は夏至を過ぎたばかりで日照時間が長い。日中の最高気温が30度以上の真夏日や35度以上の猛暑日が続くと、夕方以降も熱がなかなか逃げていかず、最低気温が25度以上の熱帯夜になりやすい。湿度も比較的高めのため、寝ている間に熱中症になる恐れもある。”

”ただ、大気や海洋の複数の現象が起きるタイミングが微妙にずれたり、太平洋高気圧が少し東に後退した隙をつくように、湿った空気が北上してきたりする可能性もある。たまたま上空の寒気や渦の南下が重なると、雲は急速に発達し、突然激しい雨を降らせる。湿った空気や渦の効果により、熱帯低気圧や台風が日本の南海上で発生し、強まりながら近づくといった事態も予想される。2018年も6月の終わりに太平洋高気圧が強まり、関東甲信越の梅雨明けは6月29日と記録的な早さだったが、7月には一転して各地で天気が崩れた。西日本を中心に大雨特別警報が出るような豪雨が発生し、「平成30年7月豪雨」と命名された。今年も暑さが小休止する際に、東日本から西日本の一部を豪雨が襲うなど「猛暑一時大荒れ」といった天候があり得るので、災害対策にも万全を期す必要がある。

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