号外:トイレットペーパーで「茶色」がじわり

最近「茶色」のトイレットペーパーが増えてきているという話題です。私自身は近所のドラッグストアでも意識した(発見した)ことはないのですが、見過ごしているのかもしれません。次回行った時には確かめてみようと思います。

2022年12月22日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

コアレックス信栄の「チャコペロ」

茶色のトイレットペーパーがじわりと存在感を増している。トイレ紙といえば、パルプ製でも古紙再生品でも白色は標準。白地にプリントが施されているものや、ピンクや緑に着色されたものもあるが、茶色は一般的ではない。背景にあるのは古紙原料の違いだ。白の再生トイレ紙は、元は印刷用紙などだった古紙が原料だ。これに対し、段ボール古紙や無漂白の飲料容器の古紙を入れてつくると、ミルクティーのような色合いの茶色のトイレ紙になるという。

日本製紙連合会(東京・中央)によると、印刷・情報用紙の1~11月の生産量は549万6千トンと前年同期比5%減少した。5年前の2017年の同時期と比べると3割弱少ない。デジタル化の進展などを背景に需要が減り、古紙として回収される量も減った。かたや通販の広がりなどで段ボール需要は堅調で、段ボール古紙の流通量は多い。

“再生トイレ紙のメーカー側でも茶色の製品に向き合う例が出てきた。コアレックス信栄(静岡県富士市)は段ボール古紙を原料に使ったトイレ紙「チャコペロ」を販売する。「段ボール古紙のほか、使用済み紙コップといった難再生古紙などの回収を進め、それらを利用した家庭紙を消費者に積極的に使ってもらいたい」(同社)。「花束」ブランドの丸富製紙(静岡県富士市)は、無漂白の牛乳パックを使った「ピュアブラウン」を販売している。牛乳パックはもともと上質なパルプが使われているため、再生紙も高品質の製品が作れるという。未ざらしの茶色で木材の雰囲気を醸す。

丸富製紙の「ピュアブラウン」

“まだ生産量が少ないことなどから、茶色の再生トイレ紙の価格は高め。だが環境意識の高い消費者などの反応がいい。茶色いペーパーナプキンやコーヒーフィルターなどがあるなかで「茶色はエコなイメージ」(30代女性)。丸富製紙のピュアブラウンはオーガニック食材を扱うスーパーなどで販売されているほか、最近はネットでの販売が増えたという。”

“古紙原料の変化という事情から注目される茶色のトイレ紙。このままSDGs(持続可能な開発目標)重視などの波に乗れるか注目したい。”

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