EU、商品宣伝の規制強化

ちょっと気になるニュースです。EUが、環境配慮型商品の宣伝文句についての規制を強化します。新規制は、2050年に温暖化ガス排出の実質ゼロを達成するために、混乱した状況にある環境関連の宣伝文句を整理するためのものです。確かに現在の市場での環境貢献に関連する宣伝訴求内容については、背景や根拠が不明確、不十分で「グリーンウォッシュ」として批判されているものがあります。市場や消費者が誤解や混乱することを避け、実効性のある温暖化対策を推進するためにも必要な措置だと思います。ただ具体的な定義や基準はこれから策定されていくので、対象となる商品やサービスを提供する、あるいは提供する計画がある企業は、今後の議論の推移を確認して対応していく必要があります。またEUが先行するとしても、このような考え方や規制はやがて世界中に広がっていきます。日本の関連企業も、今から準備する必要があると思います。

2023年10月1日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

欧州連合(EU)は2026年までに根拠が正確なものであると証明できない限り、「気候中立(温暖化ガスの排出実質ゼロ)」や「エコ」といった商品宣伝のためのうかい文句を企業が使うことを禁止する。消費者向け製品に関連して、気候変動対策に取り組んでいるように見せかける「グリーンウォッシング」に対する取り締まりを強化する政策の一環だ。”

“9月19日に合意された新しいルールでは企業が環境事業に資金を拠出し、対価にクレジットを受け取って、自社の温暖化ガス排出量を相殺する「カーボンオフセット」に基づく主張も対象となる。こうした主張は、製品が「カーボンニュートラル」であり、環境負荷を低減しているという宣伝文句の根拠として使われている。承認されたサステナビリティー制度によるものでなければ「(環境に優しいという意味の)グリーン」を名乗ることも許されない。

この規制は2026年までに実施される予定で、EUは消費者に対する環境訴求に関して、世界で最も厳しい基準を持つ地域となる。この法案は欧州議会や加盟国での承認が必要となるが、欧州の議員がこうした提案を否決することはまれだ。欧州議会で法案の協議を主導した欧州社会党のビルハナ・ボラン氏は「環境関係の宣伝文句が混乱した状況を整理するものだ」という。法案では規制される可能性がある「環境関連で一般的に使われるうたい文句」として、「グリーン」「自然の味方」「省エネ」「生分解」などの用語を例示している。製品が「優れた環境性能」を示さない限り、企業はこうした文言を使うことができなくなる。気候問題に取り組む非政府組織(NGO)などは以前から、消費者向けの製品やサービス全般で誤解を招く表現がまかり通っていることを問題視してきた。”

「カーボンニュートラルという言葉を禁止するのは素晴らしい措置だ。そうした文言は科学的に不正確で、認められるべきではない」と欧州の消費者保護団体BEUのウルスラ・パクル副事務局長はいう。EUの新規制は、2050年に温暖化ガス排出の実質ゼロを達成するための政策だ。”

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