号外:国連気候サミット:未来のための金曜日

2019年9月24日日本経済新聞版、他より

“米ニューヨークの国連本部で9月23日、気候変動への対応を各国が議論する「気候行動サミット」が開かれた。スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)は若者の代表として登壇し、「失敗したら我々は許さない」と各国の指導者たちに警告した。グテレス国連事務総長は「77か国が2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにすることを約束した。」と締めくくった。”

グレタさんは、2018年8月、地球温暖化対策(サステイナビリティ)に真摯に取り組むことを求めて、毎週金曜日にスウェーデン国会前での座り込みを始めました。グレタさんの行動は、ソーシャルメディアを通して世界中の若者を動かしました。この運動は「Friday For Future(未来のための金曜日)」と称されています。この世界の動きが、2018年12月のCOP24(国連気候変動枠組条約第24回締結国会議、ポーランド)でのグレタさんのスピーチにつながりました。2019年1月には、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス)にも招かれました。このとき彼女はCO2の排出量が多い飛行機ではなく、鉄道を使って移動しました。今回のニューヨーク訪問に際しても、飛行機を使わずヨットを使って、2週間かけて大西洋を横断して訪米しています。

彼女の行動力には、そしてソーシャルメディアの影響力には本当に驚かされます。彼女の行動を受けて、世界の150か国以上で若者などが温暖化対策(サステイナビリティ)を訴える運動を繰り広げています。この運動に参加するために、ニューヨーク市は公立学校の生徒が休むことを認め、オーストラリアの一部の州も公務員が休みを取ることを許可したほか、世界の2,000以上の企業が従業員の休みを認めたり、営業を取りやめたりしているということです。日本では、学校を休んだ生徒・学生を含め約5,000人が街頭行進などを展開しました。英メディアによれば、全世界では数百万人が運動に参加すると見通しています。

“こうした呼びかけに積極的な姿勢を見せたのは欧州勢だ。メルケル独首相は「産業で発展した国を代表して、我々の技術と資金のできる限りを地球温暖化防止に注ぐ必要がある。」と述べた。気候対策に2014年比で2倍となる40億ユーロ(約4,700億円)を投じると表明。2030年にCO2の排出量を、1990年比で55%減らす目標も掲げた。マクロン仏大統領も同様の目標を示した。英独とともに気候変動対策のファンドへの出資額を引き上げると述べ「米国の抜けた穴を補う」と発言した。

気候変動サミットでは取り組み強化を表明する国が相次ぎ、77か国が2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにすることを約束しました。これは大きな成果ですが、半面、米中やインドなど主要排出国の反応は鈍く、決して足並みが揃っているわけではありません。日本への風当たりも強くなっています。国内外に数多くの石炭火力の新設計画あり、政府の排出量削減目標(2030年で2013年比26%のCO2排出量削減)もなかなか評価されていません。今回のサミットには安倍首相は出席せず、小泉環境相が出席したのですが、具体的な対策強化を打ち出すことはできませんでした。世界は、日本の危機意識は低いのではないかと厳しい目を向けています。

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