パタゴニア、Worn Wear

みなさんご存知だと思いますが、パタゴニアはアウトドア関連の上質なアパレルやグッズを製造・販売しているアメリカの企業です。本社はカリフォルニア州ベンチュラ市(ロサンジェルスの少し北です)という太平洋に面した海岸沿いの街にあります。ベンチュラはサーフィンが盛んなとてもきれいな街です。アウトドア活動は自然を相手にするわけですから、パタゴニアは環境に配慮することの大切さ(サステイナビリティ)を訴え続けてきました。製品に使用する素材も厳選しています。オーガニックコットンや、日本の素材メーカーと連携して使用後の合成繊維のリサイクルにも取り組んできました。

「Worn Wear」はパタゴニアが自社の製品の修理を引き受ける、また顧客に修理することをすすめるサービスです。詳しくはパタゴニアのHPをご覧ください。

https://www.patagonia.jp/worn-wear.html

そこに該社CEOのコメントがあるのですが、そのまま引用させてもらいます。

<修理は急進的な行為 by ローズ・マーカリオ、パタゴニア CEO>

“このホリデー・シーズン、私は地球という惑星のために少し早い新年の抱負を掲げます。一致団結して急進的な環境保護主義者になりましょう。これは大掛かりなことに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。必要なのはソーイグキットと修理マニュアルだけです。個々の消費者として惑星のために私たちができる最善の行動は、モノを長持ちさせることです。適切な手入れと修理によって私たちの製品の寿命を伸ばすという単純な行為は、長期間にわたってモノを買う必要性を減らし、二酸化炭素の排出と廃棄物および製品を作るための水の使用量を削減します。修理はなぜそれほどまでに急進的な行為なのでしょうか。捨ててしまうことになるものを修理することは、ファッションや流行を追う急速な技術進化の全盛期では、多くの人びとにとって考えも及ばないことです。私はこれを、責任ある製造に深く献身しながらもいまだに返済できる量以上を地球から奪っている、衣類製造会社のCEOとして言っています。

衣類製造会社のCEOが、自分を含めた消費者の最善の行動として、製品を修理して長持ちさせることがモノを買う必要性を減らし、CO2と廃棄物の排出、水の使用量を削減して環境に貢献することだと、述べています。そしてパタゴニア社は、そのための情報とサービスを提供しています。

“私たちが与える影響を削減する最大の手段は、すでに所有するものをより活用することです。洗濯、アイロンがけ、乾燥は、着ることと同じようにウェアの寿命を縮めます。そこでパタゴニアは皆様のウェアをより長持ちさせるための洗濯とお手入れのコツをご紹介します。お気に入りのジャケットを鋭い岩で引き裂いてしまっても心配ご無用。パタゴニアがお手伝いします。パタゴニアはネバダ州リノのサービスセンターで45名のフルタイムの修理技術者を雇用しています。それは北米最大の修理工場で、毎年3万件の修理を手がけています。またiFixit(ネット上で様々な製品の修理マニュアルを提供しているサイト)の修理専門家とチームを組み、より器用なお客様のためのDIYリペア・ガイドも作りました。

ここまで明確に主張して、具体的な情報やサービスを提供してくれるとなると、もうある種の清々しさを感じます。また自社製品の価値に対する強い自信と、その製品を使用してくれる顧客への信頼を感じることができます。

Patagonia Worn Wear

“ポートランド店とアウトレット目白店では革新的なトレードイン・プログラムにてパタゴニアのユーズド製品を販売しています。それでも永久に持続するものはありません。有益な寿命が尽き、修理不能になったものはパタゴニアが100%リサイクルします。おでかけの際のついでに、パタゴニア直営店に設置した回収ボックスへお入れください。2005年以来、私たちは82トンを超える製品を回収しています。”

自社店舗でユーズド製品の販売を行い、最終的に製品寿命を終えたものについては、直営店の回収ボックスで回収して、製造業者としてリサイクルしています。どの程度の回収率か、どのようなリサイクルなのかはわかりませんが、ともかく最後まで責任を持って対応するという姿勢は素晴らしいと思います。ここまで徹底しているのは、私が知る限りではパタゴニアだけです。

こんなことまでやってます!

<壊れたら、修理しよう!Worn Wear College Tour>

パタゴニアのリペアトラック「つぎはぎ」が今夏、日本全国11大学を回るツアーに出かけます。ウェアの修理を行うのはもちろん、セルフリペアの方法もお伝えします。大切な1着の寿命を延ばしてより長く着つづけることは、消費を抑えることにつながり、私たちが地球に与える影響を削減するためにできる重要な行動でもあります。これからの未来を担う学生の皆さんと共に「責任ある消費」について考えます。

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