コロナ後消費占う中国、再開のユニクロ・無印の現状は

最近の話題はどうしても新型コロナウイルス関連に偏りがちです。戦後最大の国難と言われ、初めて「緊急事態宣言」が出されました。1月前半に中国湖北省武漢市で新型コロナウイルス肺炎が発生したというニュースが伝わった時には、世界中でこれほどの猛威を振るうことになるとは想像できませんでした。1月23日には武漢市が封鎖され、1月29日にはチャーター機で在留邦人の第1陣が帰国しました。それから2か月半(4月16日時点)、感染症は世界中に蔓延し(感染者201万人以上、死者13.1万人以上)、世界で、日本で日常生活が脅かされ、各国経済も大きなダメージを受けています。この感染症が一日も早く収束することを願っていますが、被害と影響は長期化することが懸念されています。

2020年4月14日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

「ユニクロ」などを運営するファーストリテイリングと「無印良品」を展開する良品計画が9日、それぞれ半期と通期の決算を発表した。両社とも、新型コロナウイルスを「基本的に抑え込んだ」と当局が主張する中国で、一時休業していた店舗が再開している。国内では4月7日に発令された緊急事態宣言を受け、現在ファストリが約5割、良品計画はほぼ全店が休業もしくは営業時間短縮の措置をとっている。営業再開後の中国の売り上げ動向は、コロナ後の消費がどうなるかを占う材料になる。”

“ファストリの2019年9月~20年2月期の連結決算は、売上高が前年同期比4.7%減の1兆2085億円、営業利益が同20.9%減の1367億円。海外ユニクロ事業は売上高が6.7%減の5412億円と国内ユニクロ事業(5.7%の減収)の減収幅を上回った。海外事業の減収要因は中国だ。1月23日から湖北省武漢市の店舗を中心に臨時休業し、2月は中国の店舗の約半数に当たる最大370店舗が営業を停止。1月末までは好調だったが、新型コロナの影響で急激に落ち込んだ。”

2月単月の中国での既存店売上高は前年比約8割減となり、上期全体でも若干の減収。ECも2月、2割減収と店舗休業で出た影響を吸収できなかった。3月は、春物商品の販売が好調で、週を追うごとに売り上げが回復しているとのこと。現在、臨時休業している店舗は5店舗まで減少し、3月22日以降の既存店売上高は前年同期比3割減まで回復した。

“今後の見通しについては、5月ごろまでは新型コロナの影響が大きく続き、6月以降、徐々に正常化すると仮定しているとのこと。そのうえで、香港や台湾を含む「中国事業」の売り上げを4、5月は前年比1~4割減、6~8月は横ばいから1割減と見込んでいる。”

「ユニクロ」と「無印良品」

“良品計画が発表した2020年2月期の連結決算は、売上高が前年比7.1%増の4387億円、営業利益が18.7%減の363億円だった。中国で270店舗を展開するが、2月には半分以上の店舗の営業を停止。2020年1~3月の中国は既存店売上高が前年比52%減となった。好調だったECを含めても同45%減と大幅に減った。”

良品計画は4月8日に武漢市を含む中国全土の営業を再開した。外出時間の制限がある武漢市だけでなく、中国全土でも外出している人が少なく、以前の状態になるのは希望的観測を含めて8月ぐらいとの見通しだ。

中国は新型コロナウイルスの抑え込みに成功したと主張している。だが海外も含めて往来が活発になれば、再び感染が広がる可能性もある。新型コロナが最初に発生した中国は、不安感が残る中で消費者がどう動くかという局面も、また最初に迎えている。

中国は、新型コロナウイルスの抑え込みに成功したのでしょうか?現在は、世界中で人の往来が制限されています。今後、欧米から帰国する中国人の方もいるでしょう。また中国では、無症状感染者を感染者としてカウントせず、適切なフォローアップが欠けていたとの報道もあります。感染症の怖いところは、いったん収まったと思っても、少し油断するとまた感染が広がってしまうことです。おそらく中国でも、今後も長期戦を戦ってゆくことになるのだと思います。

「緊急事態宣言」下の日本では、まだまだ感染の拡大が続いています。コロナウイルスを抑え込むためには、人との接触を80%減らさなければならないと言われています。これは相当高いハードルです。しかし国民が協力することで、何とか感染の拡大を抑え込み、日常生活を取り戻さなくてはなりません。経済活動は大きなダメージを受けていますが、経済を回復させるには、先ずは私たちが日常生活を取り戻さなければなりません。コロナウイルスに負けるな、日本!

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