号外:東京都、プラごみ削減のための実証実験

2020年10月14日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

東京都はプラスティックごみ削減への取り組みを強化する。民間と連携し、オフィスビルや小売店などでリサイクルの実証実験をするほか、企業には今後、ごみ分別やリサイクルの専門アドバイザーを派遣する。2030年までに2017年比でプラごみの焼却量4割削減を目指す。

“東京都は12月から、プラスティックの再利用を手掛けるループ・ジャパン(横浜市)などと連携し、弁当や総菜の容器を再利用する実証実験を始める。実験に参画する三菱地所や森ビルのビル内で販売される弁当の容器のほか、スーパーの総菜容器を回収する。購入者が使用済み容器を各所に設置した回収ボックスに返却し、容器を洗浄・消毒して再利用する仕組みだ。洗浄しやすく、繰り返し使える耐久性のある容器を利用する。実験では実際にうまく循環するか、利用者の使い勝手が良いかなどを確かめる。”

ループ(LOOP)については、

ユニリーバ、100%再生ポリエステル容器へ切り替え

LOOP:テラサイクルの包装容器再利用事業、東京での試験運用>の項を参照して下さい。

東京都は9月から、花王などとハンドソープの詰め替えせっけんが入った容器のリサイクルにも取り組んでいる。これまでの容器は耐久性などの理由から複数の素材で作られていたが、リサイクルしやすい単一素材の容器を作成。江東区の公共施設に配布し、ボトルに入れ終わった容器を回収して新たに別のボトル容器に作り変える。東京都は2030年までにオフィスビルや家庭などから排出されるプラごみの焼却量を4割削減する目標を掲げている。目標達成に向け、プラスティックの持続可能な利用に向けての実証実験に取り組んでいる。企業にはごみ分別やリサイクルに関するアドバイザーの派遣を始めて、プラごみリサイクルの定着を狙う。“

東京都プラごみ焼却量削減計画

いよいよ東京でループ(LOOP)の実証実験が始まります。LOOPは、従来使い捨てされていた一般消費財容器や食品パッケージを繰り返し利用が可能な耐久性の高いものに変えることで、使用後の消費者から回収し、洗浄、補充(リフィル)した上で再利用(リユース)するシステムです。メーカーは、各ブランドのパッケージをより高価で優れたデザインを用いて製作することができる他、消費者にとっては、より利便性が高くカスタマイズされた製品を使用しながら、環境に配慮したサステイナブルな消費を選択することができます。LOOPパッケージは可能な限り再利用(リユース)され、その後は再生利用(リサイクル)されます。

いったん作られた製品やパッケージは、製品寿命が終われば必ずごみ(廃棄物)になります。

私たちの生活から完全にごみ(廃棄物)を無くすことは難しいでしょう。しかし、製品はできるだけ長く、パッケージはできるだけ繰り返し使うことで、ごみ(廃棄物)の量を減らすことができます。製品もパッケージも、「使い捨て」にすることはサステイナブルではありません。この記事にある東京都のような取り組みが、世界の各地(アメリカ、フランス、カナダ、ドイツ、オーストラリア)で始まっています。サーキュラーエコノミー(循環型経済)は、メーカーや行政の努力、そしてLOOPのようなサービスだけでは実現できません。私たち消費者の持続可能性に対する意識と理解、そして一人ひとりの行動が必要です。

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