号外:Z世代から全国にひろがる「ごみゼロアクション」

2022年5月26日付でYahoo! JAPAN SDGsに掲載された記事からですが、Z世代から発信される「ごみゼロアクション」を紹介しています。「ごみ」は私たちにとってとても身近な問題です。そしてその処理能力が限界に近づいていることは、以前にこのHPでも紹介しました。ごみを少なくするために、私たちには何ができるのでしょうか。一人ひとりが毎日の生活習慣を見直し、ごみを減らすためにできることを少しずつ、でも根気よく続けていくことが一番有効な方法なのだと思います。若い世代が積極的に活動してくれていることを頼もしく思いますし、私のような本来「責任を持つべき世代」は、もっと真剣に取り組まなければならないと思います。

焼却処理の限界:大阪湾フェニックス計画

20年後、埋立地が使用不可になりゴミを受け入れられない!?>の項を参照

みんなでゴミ拾い

“私たちが生活する上で何気なく排出している「ごみ」。当たり前のように存在していながらも、日本が抱えているごみ問題は深刻なものとなっています。2022年3月の環境省の発表によると、2020年度に日本で家庭から排出されたごみの量は、なんと年間3000万トン。企業からのごみも含めた一般廃棄物となると、4167万トンにものぼり、これは東京ドーム112杯分にほぼ等しく、一人当たりに換算すると、1日901グラムものごみを排出していることになります。多くのごみを排出している現状ですが、その処理にも限界が見えているのも事実。当たり前のようにごみを捨てることができなくなる未来が迫ってきた今、私たちにできることは何かを一人ひとりが考える必要に迫られているのではないでしょうか。”

日本におけるごみ処理には、大きく二つの問題があります。一つ目が、埋立地問題です。通常、再利用しきれなかった粗大ごみや不燃ごみ、ごみが燃えた後に残った灰などは、最終処分場で埋め立てられます。しかし、埋め立てる土地にも限りがあり、2021年3月の環境省の発表によると、最終処分場の残余年数は21.4年。つまり、このままのペースでごみを破棄し続けていると、2041年にはごみを埋め立てる場所がなくなってしまうのです。そして二つ目が、廃棄処理にかかる税金の問題です。ごみ処理にかかる費用の多くは、私たちの税金で負担しています。同じ環境省の発表によると、2019年度にはごみの処理に、2兆885億円もの税金が使われました。一人当たりに換算すると、年間およそ16,400円も負担していることになり、この金額は年々増加しています。

“こうした深刻な問題を踏まえ、今、ごみ問題への意識は年々高まっており、ごみ拾いをはじめとする様々な活動が全国で展開されています。その中でも、これからの時代を担う、若い世代の活動は数多くあります。例えば、大学1年生の北村優斗さんが代表をつと得る、人気テレビ番組「逃走中」と「ごみ拾い」を融合した、ゲーム感覚ごみ拾いイベント「清走中」や、湘南を拠点にビーチクリーンなどのサステナブルな活動に取り組むZ世代グループ「NAMINATI」など、ユニークな視点で、自らの行動で未来を変えようと活動する若者が全国にたくさんいます。”

“そして今回、そんな若者たちの力を起点に、全国のあらゆる世代の方々にも活動の輪をひろげようとするプロジェクトがあります。2022年5月に立ち上がった「530(ごみゼロ)ACTION」です。530ACTIONは、株式会社アイクリエイトが運営するサステナブルなプロジェクトをうむ企画プロダクション「Planners(プランナーズ)」のZ世代チームが主体となって運営されているプロジェクトで、2030年までに「ごみ」の概念がない社会を目指し、ごみを拾うことと、出さないことの両方から様々な企画にチャレンジする、Z世代発のソーシャルプロジェクト。たとえばInstagram、Twitter、TikTokなどSNSで「#530ACTION」をつけて、ごみゼロアクション(ごみ拾いやゼロウェイストなアクション)を投稿すると、1投稿あたり530円が世界最大規模の自然保護団体であるWWFジャパンに寄付されるハッシュタグチャリティー企画の実施など、誰でも簡単に参加できる企画を打ち出しています。(2022年5月1日から31日まで開催)”

「530ACTION」のお知らせ

現代社会において、「ごみ」とされているものは、人間がつくり出した自然界の「エラー」のようなものです。つまり、サーキュラーな輪から外れてしまったもの。それらを自然のサイクルに戻していくことが当たり前となる社会が、530ACTIONが目指す「ごみ」の概念がない社会です。今、私たちが「ごみ」と呼んでいるものの中には、実際は資源として再利用できるものや、再び循環のシステムの中で人から人に渡っていくものなどもあります。それらすべてを「ごみ」という言葉でまとめてしまっていることが、大きな問題ではないでしょうか。”

“SDGs12番目の目標に、「つくる責任、つかう責任」が掲げられているように、今の私たちはその責任を全うできていないから「ごみ」が存在しています。「ごみ」の概念がない社会の実現には、つくる側もつかう側も変わっていくことが求められます。「ごみ」の概念がない社会を実現するためには、まずは一人一人が「ごみ」を認識し、意識を変えることが大切です。”

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