フランス、ウイグルの人権問題巡りファーストリテイリングなど4社を捜査

世界では、グローバル企業に対して、サプライチェーン全体で社会的、環境的側面に責任を持ち、きちんと管理・報告することを求める機運が高まっています。中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害疑惑を巡り、フランス検察当局は「人道に対する罪の隠匿」の疑いで、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなど4社への捜査を開始しました。

米税関、ウイグル問題でユニクロシャツの輸入差し止め

ウイグル族の強制労働問題、問われる日本企業のビジネスと人権への対応

新疆綿、ワールドやミズノ使用中止>の項を参照

2021年7月2日付け日本経済新聞電子版に掲載された記事より、

”捜査対象となっているのは他に「ZARA(ザラ)」などを展開するスペインのアパレル世界最大手インディテックス、仏中堅アパレルSMCP米靴大手スケッチャーズ。捜査が始まったのは6月末だったという。フランスの刑法には不正行為の隠匿などについて規定がある。”

人権団体などが4月、ウイグル民族の強制労働によってできた綿製品を使っているなどとして、4社を告発していた。人権団体側の弁護士は仏AFP通信の取材に「(人権侵害で成り立つ)商品をフランスに輸入する企業の法的リスクと責任を明らかにするものだ」などと語った。ファーストリテイリングは7月2日、「仏当局から捜査について連絡を受けていないが、要請があれば全面的に協力する」とのコメントを発表。同社は5月のプレスリリースで「製品の生産過程で強制労働が確認された事実はない」としている。”

”米シンクタンク「センター・フォー・グローバル・ポリシー」は2020年12月、中国が少なくとも57万人のウイグル族を綿花栽培などで強制的に働かせていたとの報告書を発表した。中国政府は全面否定するが、服飾業界では同自治区の綿の使用をやめる例が相次いでいる。日本ではワールドやミズノなど、世界でもスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)が取引をやめる方針だ。

皆さんもご存知のように、本件について中国政府は全面否定しています。中国ではアパレルを始め様々な製品が生産されています。グローバル企業が、中国政府が全面否定している状況で、現地の生産企業や協力企業に対して「人権問題」が発生していないかの確認を求めたところで、透明性のある報告を受けることは難しいと思われます。そもそも、「人権侵害」に関する考え方が、我々(資本主義諸国)と中国の間では、大きく食い違っているように見えます。しかも現在はコロナ禍で、自分の目で確かめにいくということもままなりません。その一方で、グローバル企業の管理責任は、ますます厳しく求められています。中国は巨大な生産国であると同時に、巨大な市場でもあります。中国で生産することに、中国で販売することに潜在的に存在するリスクなのですが、対応を誤ると、中国だけではなく、全世界で自社製品やブランドの価値を毀損する可能性があります。基本に立ち返って、「正しいことを、正しく実行する」ことが必要なのですが、ビジネスの現実はそうそうシンプルなものでもなく、グローバル企業は非常に難しいかじ取りをしなくてはなりません。

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