号外:コカ・コーラ、PETボトル循環利用を加速

日本はPETボトルリサイクルの先進国です。PETボトルリサイクル推進協議会によると、2020年度の日本の回収・リサイクル率は88.5%です。これに対して欧州は40%、アメリカは20%程度と言われています。PETボトル新規販売量に対して、2020年度のボトル to ボトル(B to B)リサイクルの割合は15.7%で、近年徐々に伸長しています。回収されたペットボトルの再利用用途の割合は、B to Bが30%、食品用などのフィルム・シート類が40.7%、繊維が16.5%、輸出用ペレットが10.7%、その他2.1%となっています。日本国内では使用後PETボトルの回収システムが整っており、また純度の高い再資源化も可能です。できるだけB to Bの水平リサイクル比率を高め、より循環型の消費を目指すべきと思います。

再生ポリエステル繊維:PETボトルリサイクルのひとつの出口

サントリーが国内初のペットボトルリサイクル事業を自治体と締結>の項を参照

2022年5月27日付け日経ビジネス電子版に掲載された記事より、

”手軽に飲めて、持ち運びにも便利なPETボトル。その消費量が年々高まっている。PETボトルリサイクル推進協議会によると、2020年の日本におけるPETボトル回収率は96.7%、リサイクル率は88.5%と世界最高水準を記録。だが、回収されたPETボトルの多くはフィルムやシート、繊維など、PETボトルとは別の用途にリサイクルされており、日本においてPETボトルとして再利用されているのは15.7%にとどまるのが現状だ。プラスティック資源の循環利用のために、用途を飲料用PETボトルに限定し、使用済みPETボトルをリサイクルすることが求められている。”

“そこで、コカ・コーラボトラーズジャパンでは、日本のコカ・コーラシステムが2018年に発表した「容器の2030年ビジョン」に基づき、使用済みPETボトルから新しいPETボトルを生み出す「ボトル to ボトル」を推進。PETボトルの再生を繰り返す水平リサイクルにより、石油由来原料やCO2を大きく削減していく考えだ。「容器の2030年ビジョン」では、2030年までに全てのPETボトルを100%サステイナブル素材(B to BリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計)へ切り替えることを目指すとともに、販売した自社製品と同等量のPETボトルの回収や、PETボトルへの新たな石油由来原料の使用ゼロを目標としている。

“これを実現するためには、地域やパートナーとの協業による着実な容器回収とリサイクルスキームの構築が欠かせない。そのモデル事例として注目されるのが、埼玉県吉見町との取り組みである。吉見町には約50年前より同社の埼玉工場があり、コカ・コーラボトラーズジャパンとも縁の深い土地だ。同社では、今年4月に同町の地域活性化を目指す「包括連携に関する協定」を締結。連携第1弾として、「ボトル to ボトル」の共同事業を開始した。”

吉見町でのPETボトルリサイクルの仕組み

“吉見町内の集積所で回収された使用済みPETボトルは、粉砕・洗浄などの工程を経て、再原料化される。再生されたPET原料は、コカ・コーラボトラーズジャパンの埼玉工場をはじめ、同社各工場にてコカ・コーラ社製品の容器に使われるという。”

“同社は、ウェルシア薬局株式会社とも協業し、栃木県、茨城県内のドラッグストア「ウェルシア」店頭で回収した使用済みPETボトルの「ボトル to ボトル」を実践している。企業間での取り組みに続き、自治体との協働事業となる今回のプロジェクトには地域の期待も大きい。市民・事業者・行政の三者が一体となることで、PETボトルの循環利用がさらに加速することは間違いない。”

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